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チラシの裏~勇者弐位のゲーム日記

 ゲーム大好きな大阪のオバチャンのほぼゲームのことしか書いてない日記。10年やってたブログがプログラム書き換えられて海外の怪しいサイトに飛ばされるようになったんで、2017年4月に引っ越ししてきました。10年分の過去記事が36MBもあるし、データが壊れてるのか一部送れないものもあり、まだまだインポートの途中(;^_^   過去記事分は引っ越しで持ってきたものなので、表示が一部おかしいかもm(__)m  

福沢エンディング№11:呪いの連鎖


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 4週目開始!
 1人目は新堂誠を選択→シナリオ:戦いのゴングがなって→新堂エンディング№19~24を見る
 2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:戦下の友情→荒井エンディング№08~10を見る
 3人目は風間望を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01:かぐわしきにおひを見る


 4人目は福沢玲子を選択!


 福沢玲子は1年G組の生徒。


 「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
  1. 親と一緒
  2. あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
  3. 無神論者
  4. 違う話を聞きたい
 「私と一緒だ。私、神様信じてないもん。そりゃあ、神頼みくらいはするけど。
 私のお父さんの話なんだけどぅ、実話だよ実話。
 私のお父さんはね、N証券っていう大きな証券会社に勤めているんだよね、そこの部長さん。
 すごいでしょ、えへへ。
 でね、ある日自分の部下が大真面目な顔でやってきて、一緒に行ってほしいところがあるって言うんだってさ。
 お父さん、親身になって聞いてあげたんだってさ。
 彼ったら何にも言わないんだって。ただ一緒に行って欲しいところがあるってそればっかり言うんだってさ。
 それでね、次の日曜日、お父さんは彼のために一日あげたの。
 そしてらさぁ、どこに連れて行かれたと思う?
 公園だよ。公園でね、何人も集まって落ちているゴミを拾うの。ボランティアだよ。
 それでさ、それが終わったあと、ボランティアの人たちが全員で輪になって、自分たちがいかに幸せかを語り合うんだって。
 それさ、何とかっていう変な宗教だってさ。
 ゴミを拾ったり、駅を掃除したり、そうすることによって人徳を高めていくんだって。
 お父さん、帰ってきたら怒ってたよ。
 ボランティアのときに、猫の絵を描いてあるエプロンをつけさせられてね。
 それが、その宗教のシンボル・マークだって言うからしょうがないけどさ。通りすがりのカップルとかが馬鹿にして、笑っていくんだって。
 それに子供がわざわざお父さんの前にゴミを捨てたりしてね。それでお父さんが怒ったら、その子のお母さんに誘拐魔扱いされちゃってさ。
 それでボランティア活動が終わったら、みんなで毎週来るように誘われちゃって、お父さん、真剣に怒ってたよ。
 なんでもその部下の人がね、会社では無口で暗いのに、その時はもうニコニコしちゃってすんごく明るかったんだって。
 お父さん、怒った後悩んでいたもん。
 どうして会社では暗いんだって。
 もちろん、お父さんのボランティアは1日で終わったんだけれどさ。
 そのあと部下の人はだんだん会社を休みがちになってさ。
 1か月くらいしたら全然来なくなっちゃって、ある日いきなり会社辞めちゃったんだって。
 そのあとね、会社の同僚がどっかのターミナル駅の前にある広場で、その人を見かけたんだってさ。
 なんでも道行く人の幸せを祈ったり、みんなで歌を合唱したりしてたんだって。とっても幸せそうな顔してたらしいよ。
 でもさ、会社に残された人には迷惑だよね。
 お父さん、真剣に悩んでたもん。最近の若いもんはわからんって。
 坂上君も気を付けたほうがいいよ。まわりにさ、宗教に凝っている人とかいない?」
  1. 実は、いる
  2. そんな人はいない
 「えー!それは大変だよね。その悩みって、実際体験した人じゃないとわからないもんね。
 それじゃあさあ、これから私がする話、坂上君なら、ものすごくわかってもらえると思うよ。私が実際に体験した話だからさ」


 福沢のクラスに宗教に狂った子がいた。蜜田真奈美といい、福沢とは中学が別だったので、高校で初めて出会った。

 
 「新しいクラスになったとき、坂上君はどう?仲の良かった人、同じクラスにいた?」
  1. いた
  2. いなかった
 「だったら、気が楽だったでしょ。でもそうすると、その中学からの仲良しだけでいつも集まるとかにならない?せっかく高校デビューしたのにそれじゃあもったいないよ」


 中学の時の知り合いがいなかった福沢が、早く友達を作ろうと思っていた時、後ろの席だった密田が話しかけてきたのだった。
 密田は親切な子だけじゃなく、人の嫌がることを率先してやる子だった。
 だから、クラスの遊び人とかは、密田に嫌なことを押し付けていたが、密田は嫌な顔一つせず黙々とやっていた。
 密田は、冗談がわからずまじめに考え込むタイプだったが、何にでもまじめですごくいい子だったので、人気があった。


 ゴールデンウィークが明けた頃、たくさんの人の手を握ると世界が平和になるからという理由で、密田は、「手を握らせてね」と言うようになった。
 みんなは、平和になるかどうかもわからず、手を握ると密田が喜ぶから、手を握らせてあげていた。特に男子は、かわいい子の手を握れるので喜んでいた。
 
 
 それから1週間くらいしてから、密田は学校に何本ものシャンプーを持ってきて、商売を始めた。今、みんなが使っている市販のシャンプーや毒だが、密田が持ってきたシャンプーは、いろんな花の搾り汁を主成分にした天然のものなんだそうだ。
 匂いはほんのちょっとしかなく、色は透明で、ラベルもいかにも手作りって感じのものだった。
  1. それっと良さそうだね
  2. それって霊感商法じゃ・・・
 「そう、そんな感じよね。霊感っていう言葉で思い出したわ。
 ものすごく霊感の強い子が引き起こしたとても怖い話があったの。そっちの話をするね」
 
 
 シナリオ:歪んだ被写体開始!
 
 
 以前、鳴神学園の写真部に向井という女子が所属していたが、撮る写真がすべて心霊写真になるので周囲から煙たがられていた。
 向井が3年生になり、最後のコンクールが近づいてきた。
 向井は、いつも恵まれない分、絶対にいい成績を残す、と思い、優勝を狙っていた。


 「ねぇ、坂上君。向井さんは無事にコンクールに参加できたと思う?」
  1. 当然参加できなかった→福沢エンディング№08:歪んだ被写体福沢エンディング№09:悲惨な現像福沢エンディング№10:願った結果
  2. 実は参加できた
 周りには辞退させろという声も結構あったが、最後のコンクールだったから、一生懸命やっている向井を見ると出るなとは言えなかった。
 向井はテーマをどうするか考え抜いて、部活動を一生懸命にやっている生徒を写そうと決めた。
 テーマが決まったところで、向井は野球部に許可をもらうと連日グラウンドに張り付いた。
 向井はベストショットのタイミングをじっと待っていた。
 そして数日後、ついにその時がきた。大きなフライが上がると外野手が光る汗を散らして一生懸命に追った。
 外野手がダイビングキャッチする瞬間、向井は懸命にシャッターを切って、見事にその場面をカメラに収めた。


 向井はさっそく自宅の暗室で現像に取り掛かった。
 そして、完成した写真を見ると、ダイビングキャッチの勢いで頭から砂をかぶり、梅干しを食べたみたいな顔をムっとさせた外野手の、とても迫力ある姿が写し出されていた。
 プロにも負けていないんじゃないかというくらい、予想以上の出来栄えだった。
 おまけに心霊写真じゃなかった。
 向井は自分の優勝を確信した。


 数週間後、コンクールの結果発表の日になって、向井はほかの部員と一緒に部室に待機していた。
 部長が封筒を抱きかかえてやってきた。部員の誰かが入賞したに違いない!
 部長が封筒を開け、通知書を取り出す。
 「向井、おめでとう!」
 通知書が向井に渡された。そこには、準優勝の文字が書かれていた。
 部員たちは向井を褒め称える言葉を口にしたが、向井の頭には入っていなかった。
 (なぜ優勝じゃないの?どうして、どうして・・・)
 向井はフラフラと部室を出て行った。


 次の日、部室で首を吊って自殺した向井が発見された。
 遺書はなかったが、優勝できなかったショックで自殺したと警察は納得した。
 向井の死の衝撃を落ち着かせて、どうにか写真部は再開させたが、事件は終わっていなかった。
 写真部の部員たちが撮る写真すべてに、何らかの霊現象が写り込むようになってしまった。
 すぐに向井の呪いだと噂が立った。
 切羽詰まった部員が有名な祈祷師に相談すると、祈祷師は「写真に写る霊現象は向井さんが亡くなったときの負の感情が引き起こしているものです。彼女の霊を鎮めなければ、間違いなく更なる災いが起こってしまうでしょう」と言った。


 「それで、向井のさんの霊を鎮めるために、年に一度、使っていたカメラを燃やすっていう伝統行事ができたんだ。
 もしそれを忘れちゃう人が出ると、向井さんの霊が現れるそうなの。
 だから、この行事は今でもちゃんと続いているよ。写真部に取材を申し込めば見せてくれるかもしんないね。
 心霊写真は負の感情が引き起こすってことらしいんだけど、あの時向井さんは絶対に成功するんだって気分が高揚していたから、コンクール用の写真には霊が写らなかったんだ」
 
 福沢エンディング№11:呪いの連鎖
 CGギャラリー:46/124 
 №68:写真に写る怨恨
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福沢エンディング10:願った結果


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 4週目開始!
 1人目は新堂誠を選択→シナリオ:戦いのゴングがなって→新堂エンディング№19~24を見る
 2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:戦下の友情→荒井エンディング№08~10を見る
 3人目は風間望を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01:かぐわしきにおひを見る


 4人目は福沢玲子を選択!


 福沢玲子は1年G組の生徒。


 「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
  1. 親と一緒
  2. あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
  3. 無神論者
  4. 違う話を聞きたい
 「私と一緒だ。私、神様信じてないもん。そりゃあ、神頼みくらいはするけど。
 私のお父さんの話なんだけどぅ、実話だよ実話。
 私のお父さんはね、N証券っていう大きな証券会社に勤めているんだよね、そこの部長さん。
 すごいでしょ、えへへ。
 でね、ある日自分の部下が大真面目な顔でやってきて、一緒に行ってほしいところがあるって言うんだってさ。
 お父さん、親身になって聞いてあげたんだってさ。
 彼ったら何にも言わないんだって。ただ一緒に行って欲しいところがあるってそればっかり言うんだってさ。
 それでね、次の日曜日、お父さんは彼のために一日あげたの。
 そしてらさぁ、どこに連れて行かれたと思う?
 公園だよ。公園でね、何人も集まって落ちているゴミを拾うの。ボランティアだよ。
 それでさ、それが終わったあと、ボランティアの人たちが全員で輪になって、自分たちがいかに幸せかを語り合うんだって。
 それさ、何とかっていう変な宗教だってさ。
 ゴミを拾ったり、駅を掃除したり、そうすることによって人徳を高めていくんだって。
 お父さん、帰ってきたら怒ってたよ。
 ボランティアのときに、猫の絵を描いてあるエプロンをつけさせられてね。
 それが、その宗教のシンボル・マークだって言うからしょうがないけどさ。通りすがりのカップルとかが馬鹿にして、笑っていくんだって。
 それに子供がわざわざお父さんの前にゴミを捨てたりしてね。それでお父さんが怒ったら、その子のお母さんに誘拐魔扱いされちゃってさ。
 それでボランティア活動が終わったら、みんなで毎週来るように誘われちゃって、お父さん、真剣に怒ってたよ。
 なんでもその部下の人がね、会社では無口で暗いのに、その時はもうニコニコしちゃってすんごく明るかったんだって。
 お父さん、怒った後悩んでいたもん。
 どうして会社では暗いんだって。
 もちろん、お父さんのボランティアは1日で終わったんだけれどさ。
 そのあと部下の人はだんだん会社を休みがちになってさ。
 1か月くらいしたら全然来なくなっちゃって、ある日いきなり会社辞めちゃったんだって。
 そのあとね、会社の同僚がどっかのターミナル駅の前にある広場で、その人を見かけたんだってさ。
 なんでも道行く人の幸せを祈ったり、みんなで歌を合唱したりしてたんだって。とっても幸せそうな顔してたらしいよ。
 でもさ、会社に残された人には迷惑だよね。
 お父さん、真剣に悩んでたもん。最近の若いもんはわからんって。
 坂上君も気を付けたほうがいいよ。まわりにさ、宗教に凝っている人とかいない?」
  1. 実は、いる
  2. そんな人はいない
 「えー!それは大変だよね。その悩みって、実際体験した人じゃないとわからないもんね。
 それじゃあさあ、これから私がする話、坂上君なら、ものすごくわかってもらえると思うよ。私が実際に体験した話だからさ」


 福沢のクラスに宗教に狂った子がいた。蜜田真奈美といい、福沢とは中学が別だったので、高校で初めて出会った。

 
 「新しいクラスになったとき、坂上君はどう?仲の良かった人、同じクラスにいた?」
  1. いた
  2. いなかった
 「だったら、気が楽だったでしょ。でもそうすると、その中学からの仲良しだけでいつも集まるとかにならない?せっかく高校デビューしたのにそれじゃあもったいないよ」


 中学の時の知り合いがいなかった福沢が、早く友達を作ろうと思っていた時、後ろの席だった密田が話しかけてきたのだった。
 密田は親切な子だけじゃなく、人の嫌がることを率先してやる子だった。
 だから、クラスの遊び人とかは、密田に嫌なことを押し付けていたが、密田は嫌な顔一つせず黙々とやっていた。
 密田は、冗談がわからずまじめに考え込むタイプだったが、何にでもまじめですごくいい子だったので、人気があった。


 ゴールデンウィークが明けた頃、たくさんの人の手を握ると世界が平和になるからという理由で、密田は、「手を握らせてね」と言うようになった。
 みんなは、平和になるかどうかもわからず、手を握ると密田が喜ぶから、手を握らせてあげていた。特に男子は、かわいい子の手を握れるので喜んでいた。
 
 
 それから1週間くらいしてから、密田は学校に何本ものシャンプーを持ってきて、商売を始めた。今、みんなが使っている市販のシャンプーや毒だが、密田が持ってきたシャンプーは、いろんな花の搾り汁を主成分にした天然のものなんだそうだ。
 匂いはほんのちょっとしかなく、色は透明で、ラベルもいかにも手作りって感じのものだった。
  1. それっと良さそうだね
  2. それって霊感商法じゃ・・・
 「そう、そんな感じよね。霊感っていう言葉で思い出したわ。
 ものすごく霊感の強い子が引き起こしたとても怖い話があったの。そっちの話をするね」
 
 
 シナリオ:歪んだ被写体開始!
 
 
 以前、鳴神学園の写真部に向井という女子が所属していたが、撮る写真がすべて心霊写真になるので周囲から煙たがられていた。
 向井が3年生になり、最後のコンクールが近づいてきた。
 向井は、いつも恵まれない分、絶対にいい成績を残す、と思い、優勝を狙っていた。


 「ねぇ、坂上君。向井さんは無事にコンクールに参加できたと思う?」
  1. 当然参加できなかった
  2. 実は参加できた
 部長が、どうせ心霊写真を撮り、それをコンクールに出すと学外の人も見て、学校に迷惑がかかるだろうから、という理由で向井のコンクール参加を拒否したのだ。
 それを聞いた向井は、部室を飛び出した。
 
 
 「坂上君、あなたが同じ立場だったら、こんな時って、どんな気分かな?」
  1. 全てに絶望する→福沢エンディング№08:歪んだ被写体
  2. 新しい楽しみを探す→福沢エンディング№09:悲惨な現像
  3. わからない
 向井は、自分磨きをすることにした。
 頑張って自分を磨けばいい人が見つかるはずだと考えた。
 向井が写真部をやめて自分磨きを始めたら、ほどなくして運命の人が現れた。
 ある日、向井は下駄箱にラブレターを見つけた。ラブレターに指定された場所に行くとクラスメイトの相田がいた。
 相田は大人しめなせいかクラスでは目立たなかったが、真面目で誠実な人柄だった。
 彼の人柄を知っていた向井は相田と付き合うことにした。


 週末になると二人はデートをした。
 「僕は洋画を見るのが趣味なんだよ。もちろん日本語字幕なんて邪道さ」
 「それってインテリって感じだね」
 「向井さんはどうなの?」
 「好きでも嫌いでもない感じだけど、これから好きにあるよう頑張ろうと思うよ」
 「君なら大丈夫さ。さっそく映画に行こう!」


 映画を見終えた二人は、仕上げに喫茶店に入って、美味しいケーキや紅茶を楽しみながら、映画の感想を言い合った。
 その時、相田は思い出したように「向井さんは写真部だったんだっけ?」と質問した。
 相田は、向井が写真部にいたことは知っていたが、退部したことも心霊写真を撮ることも知らなかった。
 「カメラが嫌いになったのかい?」
 「ごめんなさい。このこと、もう聞かないでくれると嬉しいな」
 「わかった、もう聞かないよ」
 向井は写真部を辞めてからは、すっかりカメラに触らなくなっていた。相田に心霊写真のことを知られたくなかったのだ。だから、デート中に写真を撮ることもなかった。


 ある日の放課後、相田が声を掛けてきた。
 「向井さん、一緒に帰ろうよ。今日は時間ある?」
 「うん。珍しいね、平日に誘ってくるなんて」
 二人は3年生で忙しいこともあって、デートは週末だけと決めていた。
 「思えば僕たちさ、付き合ってから記念写真って一枚も撮ったことなかったじゃないか?
 それでぜひ向井さんと一緒に写真を撮りたいんだ」
 向井は大切な彼氏の頼みを断ることができなかった。
 「わかったわ。帰って機材を用意するわね」
 いったん家に帰り、カメラと三脚を引っ張り出して、向井は待ち合わせの校門前へ向かった。
 写真を撮るのはどこがいいかを相田は少し迷っていたが、つごもり橋に決めた。
 「じゃ、ここで」
 「わかったわ。すぐ準備するから待ってて」
 機材を組み立てた向井は、タイマーをセットすると相田の隣に駆け寄った。
 そして、相田は向井の肩に手をまわして、幸せそうに微笑んだ。


 その夜、向井は張り切って写真の現像に取り掛かった。
 やがて、現像が完了した頃、サワサワと生き物が移動するみたいな音が聞こえてきた。
 音は今しがた現像し終えてたばかりの写真から聞こえていた。
 写真から不気味な形の影が抜け出てきた。
 そいつは呆然と立ち尽くす向井に容赦なく襲い掛かった。


 次の日、向井は死体で発見された。
 驚いたことに死体はカメラのフィルムで首を絞められていた。
 当然、人間の仕業じゃないから犯人は見つからなかった。
 だけど、彼女が心霊写真を撮ってしまうことが写真部のメンバーから伝わり、フィルムに潜む悪霊の仕業ということで決着がついた。
 彼女の死の真相を突き止めたのは相田だった。
 彼女の殺された理由を知りたかった彼は、霊能者を呼んで現場を見てもらった。
 その霊能者が言うには、向井が以前、撮影してはいけない場所を撮影しちゃって、そこの地縛霊に取り憑かれていたそうだ。
 その霊は失恋で死んだ女の霊で、彼氏のできた向井を嫉んでやったのだろう、と。
 
 
 福沢エンディング10:願った結果
 CGギャラリー:45/124 
 №67:襲い来るフィルム
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福沢エンディング09:悲惨な現像


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 4週目開始!
 1人目は新堂誠を選択→シナリオ:戦いのゴングがなって→新堂エンディング№19~24を見る
 2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:戦下の友情→荒井エンディング№08~10を見る
 3人目は風間望を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01:かぐわしきにおひを見る


 4人目は福沢玲子を選択!


 福沢玲子は1年G組の生徒。


 「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
  1. 親と一緒
  2. あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
  3. 無神論者
  4. 違う話を聞きたい
 「私と一緒だ。私、神様信じてないもん。そりゃあ、神頼みくらいはするけど。
 私のお父さんの話なんだけどぅ、実話だよ実話。
 私のお父さんはね、N証券っていう大きな証券会社に勤めているんだよね、そこの部長さん。
 すごいでしょ、えへへ。
 でね、ある日自分の部下が大真面目な顔でやってきて、一緒に行ってほしいところがあるって言うんだってさ。
 お父さん、親身になって聞いてあげたんだってさ。
 彼ったら何にも言わないんだって。ただ一緒に行って欲しいところがあるってそればっかり言うんだってさ。
 それでね、次の日曜日、お父さんは彼のために一日あげたの。
 そしてらさぁ、どこに連れて行かれたと思う?
 公園だよ。公園でね、何人も集まって落ちているゴミを拾うの。ボランティアだよ。
 それでさ、それが終わったあと、ボランティアの人たちが全員で輪になって、自分たちがいかに幸せかを語り合うんだって。
 それさ、何とかっていう変な宗教だってさ。
 ゴミを拾ったり、駅を掃除したり、そうすることによって人徳を高めていくんだって。
 お父さん、帰ってきたら怒ってたよ。
 ボランティアのときに、猫の絵を描いてあるエプロンをつけさせられてね。
 それが、その宗教のシンボル・マークだって言うからしょうがないけどさ。通りすがりのカップルとかが馬鹿にして、笑っていくんだって。
 それに子供がわざわざお父さんの前にゴミを捨てたりしてね。それでお父さんが怒ったら、その子のお母さんに誘拐魔扱いされちゃってさ。
 それでボランティア活動が終わったら、みんなで毎週来るように誘われちゃって、お父さん、真剣に怒ってたよ。
 なんでもその部下の人がね、会社では無口で暗いのに、その時はもうニコニコしちゃってすんごく明るかったんだって。
 お父さん、怒った後悩んでいたもん。
 どうして会社では暗いんだって。
 もちろん、お父さんのボランティアは1日で終わったんだけれどさ。
 そのあと部下の人はだんだん会社を休みがちになってさ。
 1か月くらいしたら全然来なくなっちゃって、ある日いきなり会社辞めちゃったんだって。
 そのあとね、会社の同僚がどっかのターミナル駅の前にある広場で、その人を見かけたんだってさ。
 なんでも道行く人の幸せを祈ったり、みんなで歌を合唱したりしてたんだって。とっても幸せそうな顔してたらしいよ。
 でもさ、会社に残された人には迷惑だよね。
 お父さん、真剣に悩んでたもん。最近の若いもんはわからんって。
 坂上君も気を付けたほうがいいよ。まわりにさ、宗教に凝っている人とかいない?」
  1. 実は、いる
  2. そんな人はいない
 「えー!それは大変だよね。その悩みって、実際体験した人じゃないとわからないもんね。
 それじゃあさあ、これから私がする話、坂上君なら、ものすごくわかってもらえると思うよ。私が実際に体験した話だからさ」


 福沢のクラスに宗教に狂った子がいた。蜜田真奈美といい、福沢とは中学が別だったので、高校で初めて出会った。

 
 「新しいクラスになったとき、坂上君はどう?仲の良かった人、同じクラスにいた?」
  1. いた
  2. いなかった
 「だったら、気が楽だったでしょ。でもそうすると、その中学からの仲良しだけでいつも集まるとかにならない?せっかく高校デビューしたのにそれじゃあもったいないよ」


 中学の時の知り合いがいなかった福沢が、早く友達を作ろうと思っていた時、後ろの席だった密田が話しかけてきたのだった。
 密田は親切な子だけじゃなく、人の嫌がることを率先してやる子だった。
 だから、クラスの遊び人とかは、密田に嫌なことを押し付けていたが、密田は嫌な顔一つせず黙々とやっていた。
 密田は、冗談がわからずまじめに考え込むタイプだったが、何にでもまじめですごくいい子だったので、人気があった。


 ゴールデンウィークが明けた頃、たくさんの人の手を握ると世界が平和になるからという理由で、密田は、「手を握らせてね」と言うようになった。
 みんなは、平和になるかどうかもわからず、手を握ると密田が喜ぶから、手を握らせてあげていた。特に男子は、かわいい子の手を握れるので喜んでいた。
 
 
 それから1週間くらいしてから、密田は学校に何本ものシャンプーを持ってきて、商売を始めた。今、みんなが使っている市販のシャンプーや毒だが、密田が持ってきたシャンプーは、いろんな花の搾り汁を主成分にした天然のものなんだそうだ。
 匂いはほんのちょっとしかなく、色は透明で、ラベルもいかにも手作りって感じのものだった。
  1. それっと良さそうだね
  2. それって霊感商法じゃ・・・
 「そう、そんな感じよね。霊感っていう言葉で思い出したわ。
 ものすごく霊感の強い子が引き起こしたとても怖い話があったの。そっちの話をするね」
 
 
 シナリオ:歪んだ被写体開始!
 
 
 以前、鳴神学園の写真部に向井という女子が所属していたが、撮る写真がすべて心霊写真になるので周囲から煙たがられていた。
 向井が3年生になり、最後のコンクールが近づいてきた。
 向井は、いつも恵まれない分、絶対にいい成績を残す、と思い、優勝を狙っていた。


 「ねぇ、坂上君。向井さんは無事にコンクールに参加できたと思う?」
  1. 当然参加できなかった
  2. 実は参加できた
 部長が、どうせ心霊写真を撮り、それをコンクールに出すと学外の人も見て、学校に迷惑がかかるだろうから、という理由で向井のコンクール参加を拒否したのだ。
 それを聞いた向井は、部室を飛び出した。
 
 
 「坂上君、あなたが同じ立場だったら、こんな時って、どんな気分かな?」
  1. 全てに絶望する→福沢エンディング№08:歪んだ被写体
  2. 新しい楽しみを探す
  3. わからない
 向井は、翌日から気分を一新した。写真部じゃなくても写真は撮れるし、これからは細々と目立たずに楽しんでいこうと。
 人に見せなければ不快に思われることもない。撮れば必ず心霊写真になってしまうが、それでも写真を撮ることは好きだったのだ。
 やがて修学修学旅行の日がやってきた。向井はコンクールに出られなかった分、素敵な写真をたくさん残そうと思った。
 この時は修学旅行はバス移動だった。
 向井はコンクールに出られなかった鬱憤を晴らすように、写真を撮って撮って撮りまくった。
 そして、修学旅行が終わりに近づいた。あとはバスで帰るだけになり、最後にバスの前でクラごとに集合写真を撮ることになった。
 この時、担任から、自分のカメラの調子が悪いから、と言われて、向井のカメラを貸すことになり、クラスの集合写真は向井のカメラに収められた。
 学校への帰り道、山道の下りでバスのスピードが妙に早いことにみんなが気づいた。
 運転手の「ブレーキが利かない!」という叫びが聞こえ、バスはガードレールを突き破って谷底へ真っ逆さまに墜落した。
 向井を含めて乗客は全員死亡した。
 遺品を回収し、向井のフィルムを現像してみると、めちゃくちゃにバスの車体が壊れ、血みどろの死体が散乱する事故現場の画像だった。
 そして、バスの前で撮った集合写真は見当たらなかったので、事故現場の写真は、集合写真が向井のせいで変化した、という噂が広まった。


 「向井さんの心霊写真を撮ってしまう力は、カメラの自体に宿っていたんだよ。カメラを渡さなければ事故は防げたのは、確かだろうね。
 例の悲惨な写真はね、この話を聞いた人間のところに現れることがあるんだ。
 もし現れたら、1週間以内に供養しないと呪い殺されちゃうんだって。
 あれ、坂上君怒ってる?
 大丈夫だよ。供養さえすればいいんだから。みなさんも供養のことは忘れちゃわないように気をつけてくださいねー」
 
 
 福沢エンディング09:悲惨な現像
 CGギャラリー:44/124 
 №66:鮮血に染まるバス
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福沢エンディング08:歪んだ被写体


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 4週目開始!
 1人目は新堂誠を選択→シナリオ:戦いのゴングがなって→新堂エンディング№19~24を見る
 2人目は荒井昭二を選択→シナリオ:戦下の友情→荒井エンディング№08~10を見る
 3人目は風間望を選択→シナリオ:かぐわしきにおひ→風間エンディング№01:かぐわしきにおひを見る


 4人目は福沢玲子を選択!


 福沢玲子は1年G組の生徒。


 「突然だけど、坂上君って宗教はなんなの?」
  1. 親と一緒
  2. あまり人に言いたくない→シナリオ:彼と彼女の秘密
  3. 無神論者
  4. 違う話を聞きたい
 「私と一緒だ。私、神様信じてないもん。そりゃあ、神頼みくらいはするけど。
 私のお父さんの話なんだけどぅ、実話だよ実話。
 私のお父さんはね、N証券っていう大きな証券会社に勤めているんだよね、そこの部長さん。
 すごいでしょ、えへへ。
 でね、ある日自分の部下が大真面目な顔でやってきて、一緒に行ってほしいところがあるって言うんだってさ。
 お父さん、親身になって聞いてあげたんだってさ。
 彼ったら何にも言わないんだって。ただ一緒に行って欲しいところがあるってそればっかり言うんだってさ。
 それでね、次の日曜日、お父さんは彼のために一日あげたの。
 そしてらさぁ、どこに連れて行かれたと思う?
 公園だよ。公園でね、何人も集まって落ちているゴミを拾うの。ボランティアだよ。
 それでさ、それが終わったあと、ボランティアの人たちが全員で輪になって、自分たちがいかに幸せかを語り合うんだって。
 それさ、何とかっていう変な宗教だってさ。
 ゴミを拾ったり、駅を掃除したり、そうすることによって人徳を高めていくんだって。
 お父さん、帰ってきたら怒ってたよ。
 ボランティアのときに、猫の絵を描いてあるエプロンをつけさせられてね。
 それが、その宗教のシンボル・マークだって言うからしょうがないけどさ。通りすがりのカップルとかが馬鹿にして、笑っていくんだって。
 それに子供がわざわざお父さんの前にゴミを捨てたりしてね。それでお父さんが怒ったら、その子のお母さんに誘拐魔扱いされちゃってさ。
 それでボランティア活動が終わったら、みんなで毎週来るように誘われちゃって、お父さん、真剣に怒ってたよ。
 なんでもその部下の人がね、会社では無口で暗いのに、その時はもうニコニコしちゃってすんごく明るかったんだって。
 お父さん、怒った後悩んでいたもん。
 どうして会社では暗いんだって。
 もちろん、お父さんのボランティアは1日で終わったんだけれどさ。
 そのあと部下の人はだんだん会社を休みがちになってさ。
 1か月くらいしたら全然来なくなっちゃって、ある日いきなり会社辞めちゃったんだって。
 そのあとね、会社の同僚がどっかのターミナル駅の前にある広場で、その人を見かけたんだってさ。
 なんでも道行く人の幸せを祈ったり、みんなで歌を合唱したりしてたんだって。とっても幸せそうな顔してたらしいよ。
 でもさ、会社に残された人には迷惑だよね。
 お父さん、真剣に悩んでたもん。最近の若いもんはわからんって。
 坂上君も気を付けたほうがいいよ。まわりにさ、宗教に凝っている人とかいない?」
  1. 実は、いる
  2. そんな人はいない
 「えー!それは大変だよね。その悩みって、実際体験した人じゃないとわからないもんね。
 それじゃあさあ、これから私がする話、坂上君なら、ものすごくわかってもらえると思うよ。私が実際に体験した話だからさ」


 福沢のクラスに宗教に狂った子がいた。蜜田真奈美といい、福沢とは中学が別だったので、高校で初めて出会った。

 
 「新しいクラスになったとき、坂上君はどう?仲の良かった人、同じクラスにいた?」
  1. いた
  2. いなかった
 「だったら、気が楽だったでしょ。でもそうすると、その中学からの仲良しだけでいつも集まるとかにならない?せっかく高校デビューしたのにそれじゃあもったいないよ」


 中学の時の知り合いがいなかった福沢が、早く友達を作ろうと思っていた時、後ろの席だった密田が話しかけてきたのだった。
 密田は親切な子だけじゃなく、人の嫌がることを率先してやる子だった。
 だから、クラスの遊び人とかは、密田に嫌なことを押し付けていたが、密田は嫌な顔一つせず黙々とやっていた。
 密田は、冗談がわからずまじめに考え込むタイプだったが、何にでもまじめですごくいい子だったので、人気があった。


 ゴールデンウィークが明けた頃、たくさんの人の手を握ると世界が平和になるからという理由で、密田は、「手を握らせてね」と言うようになった。
 みんなは、平和になるかどうかもわからず、手を握ると密田が喜ぶから、手を握らせてあげていた。特に男子は、かわいい子の手を握れるので喜んでいた。
 
 
 それから1週間くらいしてから、密田は学校に何本ものシャンプーを持ってきて、商売を始めた。今、みんなが使っている市販のシャンプーや毒だが、密田が持ってきたシャンプーは、いろんな花の搾り汁を主成分にした天然のものなんだそうだ。
 匂いはほんのちょっとしかなく、色は透明で、ラベルもいかにも手作りって感じのものだった。
  1. それっと良さそうだね
  2. それって霊感商法じゃ・・・
 「そう、そんな感じよね。霊感っていう言葉で思い出したわ。
 ものすごく霊感の強い子が引き起こしたとても怖い話があったの。そっちの話をするね」
 
 
 シナリオ:歪んだ被写体開始!
 
 
 以前、鳴神学園の写真部に向井という女子が所属していたが、撮る写真がすべて心霊写真になるので周囲から煙たがられていた。
 向井が3年生になり、最後のコンクールが近づいてきた。
 向井は、いつも恵まれない分、絶対にいい成績を残す、と思い、優勝を狙っていた。


 「ねぇ、坂上君。向井さんは無事にコンクールに参加できたと思う?」
  1. 当然参加できなかった
  2. 実は参加できた
 部長が、どうせ心霊写真を撮り、それをコンクールに出すと学外の人も見て、学校に迷惑がかかるだろうから、という理由で向井のコンクール参加を拒否したのだ。
 それを聞いた向井は、部室を飛び出した。
 
 
 「坂上君、あなたが同じ立場だったら、こんな時って、どんな気分かな?」
  1. 全てに絶望する
  2. 新しい楽しみを探す
  3. わからない
 コンクールの件があった日以来、向井の姿が見られなくなった。
 懸命な捜索がされたが、彼女は決して見つからず、行方不明になってしまった。
 向井が消えてしまった理由は、写真部ですぐに話題になった。心霊写真を撮ってしまう自分に耐えきれず、樹海あたりで自殺しに行ったんだって。


 向井が消えて間もない日、学園内の掲示板に1枚の写真が貼られた。職員の誰も貼った覚えのない写真が。
 そこには鳴神学園の校舎た写し出されていた。邪悪な雰囲気を醸し出す、黒い影の覆いかぶさった校舎が・・・


 「その写真は、近い将来、この鳴神学園に不吉なことが起こることを暗示するものなんだろうね。
 ひょっとしたら、この七不思議の集会が引き金になるんじゃないかな」
 
 
 福沢エンディング08:歪んだ被写体
 CGギャラリー:43/124 
 №65:学園を覆う黒い影
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荒井エンディング№10:戦下の友情


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 4週目開始!
 1人目は新堂誠を選択→シナリオ:戦いのゴングがなって→新堂エンディング№19~24を見る


 2人目は荒井昭二を選択!


 2年B組の荒井昭二が「怖い話が好きなんですか?」と聞いてきた。
  1. 好き
  2. 人並程度
  3. 嫌い
 「さっきから震えているように見えたのは、怖い話が嫌いだったからなんですね。
 ところで、あなたはどうして鳴神学園を選んだのですか?」
  1. 自分の意思で
  2. 親の意思で→シナリオ:誕生日プレゼント
 「そうですか、でしたら、鳴神学園のどこに惹かれたのですか?」
  1. 設備のよさです
  2. 歴史があるからです1人目か2人目の時に出現
  3. 答えたくありません
  4. 美人が多いからです→呪いのヒトガタ
  5. 教師陣がすぐれているからです
  6. 友達を作りたかったからです(5人目か6人目の時に出現)→シナリオ:ゲーマーの条件
 「あたなもご存じのように、ここは大正時代に創立された、由緒ある学園です。いわば、この学園は歴史の生き証人なのです。
 これから僕は、それにちなんだ話をしましょう。
 ところで、あなたは戦争に話に抵抗はありませんか?」
  1. 大丈夫
  2. 実はちょっと・・・→シナリオ:呪いのヒトガタ

 シナリオ:戦下の友情


 「僕の手元にこんな資料があります。
 鳴神学園卒業生 三上康幸
 同 種田三郎
 1944年9月鳴神学園卒業。
 徴兵検査を経て、同年12月予備生徒として海軍に配属される。
 これは若くして運命を狂わされた少年たちの記録なのです」


 三上は当時東条内閣により発令されたばかりの『在学徴集延期臨時特例』により、半年卒業を早められて、海軍予備生徒となりました。
 三上は、同じ鳴神学園出身の種田とともに戦闘機の操縦士を目指し、毎日厳しい訓練に明け暮れていた。
 厳しい日常の中、唯一の心の安らぎである消灯前のひと時、三上は隣の種田に話しかけられた。
 「なあ、三上、知っているか?」
 「どうした、そんな深刻な顔をして、お前らしくもないぞ」
 「この訓練所だがな、実は特攻隊員を養成するためのものらしい」


 特攻隊。
 これは敗戦が濃くなった軍部が生み出した、狂気の産物ともいえる戦術だった。
 爆弾を搭載した航空機に乗り込み、敵の戦艦や空母に体当たりを仕掛ける、いわゆる人間爆弾だった。もちろん操縦者は生きてはいられない。まさに命を懸けた最終兵器だった。


 その夜、三上は体が震えてなかなか眠ることができなかった。
 種田の話は本当だった。
 ある日、朝礼に並んだ三上たちの前で上官は特攻隊員への志願者募集の知らせを告げた。
 三上や種田も、うつむいてじっと自分の足元を見つめいた。
 朝礼が終わり、解散の号令が出されても、皆の足取りは重かった。

  1. 怖いと思う→荒井エンディング№08:廊下の幽霊荒井エンディング№09:悔恨
  2. 逃げ出すと思う
    • →「逃げ出されば、どんなに良かったでしょうね。ですが、彼らは自分の命よりも大事なものを守るため、己が運命を受け入れたのです」
  3. わからない
    • →「わからない・・・そうやって、考えを放棄できたら、どんなに楽なことか。でも、彼らは自分の国が、仲間たちが苦しんでいるのを、見て見ぬ振りのできない性格だったのです」
 その夜、消灯前のひと時、三上は種田を人気のない廊下へと呼び出した。
 「実はな、俺、特攻隊へ志願しようかと思っているんだ」
 「え?お前、そう簡単に口にするなよ。特攻の意味がわかっているのか?」
 「俺だって、みすみす死ぬとわかって志願するのは辛い。だが、誰かがやらなければいけないことだ」
 「だからって、何でお前が!お前には、家族がいるじゃないか!」
 「その家族を守るためさ。大本営は勝利ばかりを伝えているが、本当のところはどうだろう。物資は切り詰められ、俺たち年端も行かぬ生徒まで前線に駆り出されるなんて、相当行き詰った証拠じゃないか?」
 「それは皆、口には出さぬが、薄々感じているんじゃないか」
 「そうだろう。沖縄の前線が取り崩されれば、いよいよ本土決戦。そうなれば、この国土が戦場になるんだ。俺たちを育んだ山河が蹂躙され、愛する家族が、敵の刃に晒されるのだぞ!
 なぁ、俺たち兵士はどうせ降伏したら命はないんだ。同じ死ぬのなら、確実に敵艦に一矢報いてやれる方法を選ぶのが、この命をここまで育ててくれた国は、家族の恩に報いるということじゃないのか」
 「馬鹿、三上・・・」
 「言うな種田。俺はもう決めたんだ。笑顔で見送ってくれ」
 種だは何も言うことができず、ただ涙をこらえて、グッと口をつぐんでいた。
 三上は、その肩を軽く叩くと、一足先に宿泊所へと戻って行った。


 翌日、朝礼で特攻隊に志願した者たち数名の名前が発表された。しかし、その中には三上の名前はなく、替わりに種田の名前が告げられた。
 朝礼の後、三上は種田に詰め寄った。
 「種田!あれはお前の仕業か!!
 なぜ俺ではなく、お前が志願したことになっているんだ!!」
 「・・・お前、一人っ子だったろう。
 お前が死んだら、誰が家の跡を継ぐんだ。親御さんの気持ちを考えたことがあるのか?
 その点、俺は3人兄弟の末っ子だ。幸い二人の兄も生きている。それに・・・」
 種田は、三上の胸ポケットをそっと指さした。
 「お前、思い人がいるのだろう?」
 「ど、どうしてそれを?」
 「お前、寝る前には胸の守り袋を必ず取り出して、中の写真を眺めていたじゃないか」
 「・・・」
 「可愛い人だな」
 「あれは、親に決められた許嫁だ。この戦争が終わったら、結婚することになっている」
 「なら、なおさらお前を特攻に生かせるわけにはいかない」
 「しかし!」
 「三上、早まることはない。まず俺が行く。そして、それでも、戦況が打開できないようなら、お前も来い。な?」
 さすがにその言葉には、三上も言い返すことができなかった。


 こうして三上の代わりに種田が特攻隊として、出撃することが決まった。
 当時でも、他に兄弟にいない者や結婚した間もない者は、状況を配慮して特攻から外される傾向にあったので、三上の志願届が受理される前に、種田が上官に掛け合って話をつけたのだろう。
 そして、出征前、種田のたっての願いが聞き届けられ、三上と共に特別休暇が与えられた。
 種田は三上を誘って、懐かしい鳴神の学び舎へとやってきた。
 「やあ、ここだ」
 「なんだ、種田、この大楠がどうかしたのか?」
 「この木は、鳴神学園ができる遥か前から、ここに生えているんだ。
 三上、知っているか?この木はな、約束の楠と言われているんだぜ。
 ちょっと語ってやろう。日清戦争の頃のことだ。
 近くの村から出征した男が、妻との別れを惜しみながら、この楠の幹に名前を彫り込んだ。
 すると、彼の所属していた部隊は全滅したのにもかかわらず、その男だけはただ一人、生きて帰って来たというのだ。以来、この付近の村の男たちは、戦地に向かう際には、必ず名前を彫っていくのだろうだ。
 ほら、見てみろ」
 幹に目を移すと、そこには種田の言う通り、ところどころに人の名前が彫り込まれていた。
 (特攻から生還できるものか。そんな気休めは止めろ)
 そんな、喉元まで出かかった言葉をグッと三上は飲み込み。笑顔で答えた。
 「いや、なんでもない」
  種田も、その笑顔の意味を理解した。
 「さあ、俺たちも名前を彫ろうじゃないか」
 「ああ」
 二人はナイフを取り出し、互いの名前を彫り込んだ。
 「これで、よし!」
 「そうだ、三上。これを持って行ってくれ」
 それは、古びたお守り袋だった。
 「母の形見のお守りだ。幼い頃に死んだ母親が、たった一つ俺に残してくれたものだ」
 「馬鹿、そんな大切なものが預かれるか!」
 「いいんだ。お前に持っていてほしい」
 そう言って、種田は、三上の手のひらに自分のお守り袋を押し込んだ。
 「これさえあれば、俺はまた、この場所まで迷うことなく帰って来られる。例え遠い異国で散ろうと、海の上であろうとな」
 そして、固く手を握り合い、二人は誓った。
 「いつの日か、この場所で。共に学んだ鳴神で再び会おう。約束だ」
 「・・・ああ」


 こうして、種田は帰る術のない戦場へと旅立っていった。
 そしてまもなく、誰も幸せにしなかった泥沼の戦争は終わりを迎えた。
 それから、長い年月が過ぎた。
 あの後、すぐに別の戦場へ配属された三上は、敵の流れ弾に当たって、視力を失うという不幸な出来事にはあったが、かろうじて生き延び、終戦を迎えることができた。
 そして、約束通り故郷の許嫁と結婚し、子供や孫に恵まれた幸せな人生を送った。
 そんなある日、彼は孫娘が押す車椅子に乗って、鳴神学園を訪れた。孫のゆかりは、その年、鳴神に入学したなかりだった。
 そして、三上は、あの日、種田と約束し合った楠の下へとやってきた。
 胸には種田から譲り受けたお守り袋を大事に持っていた。
 年老い、すっかり力が衰えてしまった三上は、木に縋るようにして懸命に立ち、その幹を指で探り始めた。
 「ゆかり、この幹のどこかに、おじいちゃんの名前が彫られてないかい?」
 ゆかりは、楠の幹を満遍なく見渡した。
 「あったわ。少し高いところだけど。
 ほら、手を伸ばせば届くわ。おじいちゃん、触ってみる?」
 ゆかりは、盲目の祖父の手に、自分の手を添えて、幹に刻みつけられた傷へと導いた。すると、見えないはずの三上の目に、鮮やかに二人の名前が浮かび上がった。
 「なんだよ、遅かったじゃないか」
 不意に懐かしい声が響き、三上は振り向いた。
 「この声は・・・」
 「ずっとここで、待ってたんだぜ」
 「種田、種田じゃないか!」
 「お前、すっかり爺さんになっちまいやがって」
 「あれから何年経ったと思っているんだ。お前は、変わらないな」
 「ああ」
 三上は、久しぶりに再会を果たした種田と抱擁を交わそうとしたが、その指が触れる前に、種田の体は楠の幹へと変わっていった。
 「種田。どこへ行った?種田ーーー!」
 「しっかりして、おじいちゃん!」
 ゆかりの声を掛けられて我に戻った時には、三上は楠の幹に取りすがりながら涙を流していた。


 「三上さんは、その後まもなくして、この世を去られたそうです、最後に満足した笑みを残し、旅立っていったといいます。きっと天国で種田さんと再会するのを、楽しみにしていたのでしょうね。
 件の楠ですが、今でもこの鳴神学園の敷地内にあるはずですよ。あなたも暇を見つけれて、訪れてみてはいかがでしょうか」

 荒井エンディング№10:戦下の友情
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荒井エンディング№09:悔恨


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 4週目開始!
 1人目は新堂誠を選択→シナリオ:戦いのゴングがなって→新堂エンディング№19~24を見る


 2人目は荒井昭二を選択!


 2年B組の荒井昭二が「怖い話が好きなんですか?」と聞いてきた。
  1. 好き
  2. 人並程度
  3. 嫌い
 「さっきから震えているように見えたのは、怖い話が嫌いだったからなんですね。
 ところで、あなたはどうして鳴神学園を選んだのですか?」
  1. 自分の意思で
  2. 親の意思で→シナリオ:誕生日プレゼント
 「そうですか、でしたら、鳴神学園のどこに惹かれたのですか?」
  1. 設備のよさです
  2. 歴史があるからです1人目か2人目の時に出現
  3. 答えたくありません
  4. 美人が多いからです→呪いのヒトガタ
  5. 教師陣がすぐれているからです
  6. 友達を作りたかったからです(5人目か6人目の時に出現)→シナリオ:ゲーマーの条件
 「あたなもご存じのように、ここは大正時代に創立された、由緒ある学園です。いわば、この学園は歴史の生き証人なのです。
 これから僕は、それにちなんだ話をしましょう。
 ところで、あなたは戦争に話に抵抗はありませんか?」
  1. 大丈夫
  2. 実はちょっと・・・→シナリオ:呪いのヒトガタ

 シナリオ:戦下の友情


 「僕の手元にこんな資料があります。
 鳴神学園卒業生 三上康幸
 同 種田三郎
 1944年9月鳴神学園卒業。
 徴兵検査を経て、同年12月予備生徒として海軍に配属される。
 これは若くして運命を狂わされた少年たちの記録なのです」


 三上は当時東条内閣により発令されたばかりの『在学徴集延期臨時特例』により、半年卒業を早められて、海軍予備生徒となりました。
 三上は、同じ鳴神学園出身の種田とともに戦闘機の操縦士を目指し、毎日厳しい訓練に明け暮れていた。
 厳しい日常の中、唯一の心の安らぎである消灯前のひと時、三上は隣の種田に話しかけられた。
 「なあ、三上、知っているか?」
 「どうした、そんな深刻な顔をして、お前らしくもないぞ」
 「この訓練所だがな、実は特攻隊員を養成するためのものらしい」


 特攻隊。
 これは敗戦が濃くなった軍部が生み出した、狂気の産物ともいえる戦術だった。
 爆弾を搭載した航空機に乗り込み、敵の戦艦や空母に体当たりを仕掛ける、いわゆる人間爆弾だった。もちろん操縦者は生きてはいられない。まさに命を懸けた最終兵器だった。


 その夜、三上は体が震えてなかなか眠ることができなかった。
 種田の話は本当だった。
 ある日、朝礼に並んだ三上たちの前で上官は特攻隊員への志願者募集の知らせを告げた。
 三上や種田も、うつむいてじっと自分の足元を見つめいた。
 朝礼が終わり、解散の号令が出されても、皆の足取りは重かった。


 「坂上君。あなたが彼らと同じ立場だったら、どう思いますか?」
  1. 怖いと思う
  2. 逃げ出すと思う
  3. わからない
 「ええ、そう感じるのは当然のことだと思います。ですが、彼らは怖いと思うことさえ許されなかったのです」


 翌日の朝礼で、特攻隊に志願した者たち数名の名前が発表され、その中には種田の名前もあった。
 彼は親友の三上に黙って、志願していたのだ。
 朝礼が終わり、訓練への準備時間になるや否や、三上は種田に詰め寄った。
 「おい、種田、あれはどういうことだ?」
 「すまない。お前に相談せず、決めてしまって」
 「ばかやろう!なぜそんな大事なことを一人で決めたんだ!」
 三上は種田の胸に取りすがりながら声を殺して涙を流した。
 「俺には、相談する価値もないっていうのかよ!」
 「逆だ。お前に相談したら、きっと決心が鈍ってしまうから。だから・・・」
 三上は、種田の瞳から涙が零れ落ちるのを見て、彼の真意を悟った。


 ほどなくして、種田は戦場へと旅立った。
 種田がたった一つしかない命を託すことになったのは練習機だった。
 戦闘機に比べて馬力もない上、思い爆弾を抱えているのだから、速度を出すこともできない。
 種田の乗った機体も、その使命を果たすことなく、敵艦の砲撃の餌食となった。


 「目的を果たすこともできず、若い命を散らしてしまった種田さん。その無念はどれほどのものだったでしょうか。
 ところで、ここ数年のことですが、旧校舎に出るようになったらしいですよ。全身から水を滴らせた、びしょ濡れの日本兵の幽霊がね。
 僕はこの話を先輩から聞いた時、それが遠い戦地から自力でたどり着いた種田さんの魂に違いないと確信しました」


 その先輩の話では、ある生徒が夏休みに旧校舎に忍び込み、友人数人と肝試しをしていた。
 廊下を歩いていると、闇の中にぼうっと何か青白いものが浮き上がって見えた。
 彼らの前に現れたのは、ボロボロになったカーキ色の軍服を身にまとい、崩れそうな体を日本刀で杖のように支えて、かろうじて立っている骸骨だった。
 それはピシャリ、ピシャリと水音を響かせながら近づいきて、地の底から響いてくる声で語りかけてきた。
 「ニホンハ、マケタノカ」


 「旧校舎に現れた霊は、一体何者なのでしょう?」
  1. 悪霊→荒井エンディング№08:廊下の幽霊
  2. 種田の霊
 「あなたもそう思いますか。彼の発したセリフから察すると、そう思うのは正しい判断だと思います」


 「化け物!」
 「逃げろ!」
 彼らは一目散に逃げようとしました。
 でも、その霊が本当に日本を守ろうと命を散らした兵士のものであるなら、これほど失礼なことはない。
 その霊もそう感じたのだろう。自分が命を張って守った日本は、こんな愚かな人間がはびこる国になってしまったのかと、特攻を志願したことを、きっと心の底から後悔しただろう・・・


 翌朝、旧校舎の前で、数人の生徒の溺死体が発見された。そんなところで、溺れ死んでいることも不思議だったが、さらに不可解なことには、その体からは潮の臭いがしたのだそうだ。


 荒井エンディング№09:悔恨
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荒井エンディング№08:廊下の幽霊


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?


 4週目開始!
 1人目は新堂誠を選択→シナリオ:戦いのゴングがなって→新堂エンディング№19~24を見る


 2人目は荒井昭二を選択!


 2年B組の荒井昭二が「怖い話が好きなんですか?」と聞いてきた。
  1. 好き
  2. 人並程度
  3. 嫌い
 「さっきから震えているように見えたのは、怖い話が嫌いだったからなんですね。
 ところで、あなたはどうして鳴神学園を選んだのですか?」
  1. 自分の意思で
  2. 親の意思で→シナリオ:誕生日プレゼント
 「そうですか、でしたら、鳴神学園のどこに惹かれたのですか?」
  1. 設備のよさです
  2. 歴史があるからです1人目か2人目の時に出現
  3. 答えたくありません
  4. 美人が多いからです→呪いのヒトガタ
  5. 教師陣がすぐれているからです
  6. 友達を作りたかったからです(5人目か6人目の時に出現)→シナリオ:ゲーマーの条件
 「あたなもご存じのように、ここは大正時代に創立された、由緒ある学園です。いわば、この学園は歴史の生き証人なのです。
 これから僕は、それにちなんだ話をしましょう。
 ところで、あなたは戦争に話に抵抗はありませんか?」
  1. 大丈夫
  2. 実はちょっと・・・→シナリオ:呪いのヒトガタ

 シナリオ:戦下の友情


 「僕の手元にこんな資料があります。
 鳴神学園卒業生 三上康幸
 同 種田三郎
 1944年9月鳴神学園卒業。
 徴兵検査を経て、同年12月予備生徒として海軍に配属される。
 これは若くして運命を狂わされた少年たちの記録なのです」


 三上は当時東条内閣により発令されたばかりの『在学徴集延期臨時特例』により、半年卒業を早められて、海軍予備生徒となりました。
 三上は、同じ鳴神学園出身の種田とともに戦闘機の操縦士を目指し、毎日厳しい訓練に明け暮れていた。
 厳しい日常の中、唯一の心の安らぎである消灯前のひと時、三上は隣の種田に話しかけられた。
 「なあ、三上、知っているか?」
 「どうした、そんな深刻な顔をして、お前らしくもないぞ」
 「この訓練所だがな、実は特攻隊員を養成するためのものらしい」


 特攻隊。
 これは敗戦が濃くなった軍部が生み出した、狂気の産物ともいえる戦術だった。
 爆弾を搭載した航空機に乗り込み、敵の戦艦や空母に体当たりを仕掛ける、いわゆる人間爆弾だった。もちろん操縦者は生きてはいられない。まさに命を懸けた最終兵器だった。


 その夜、三上は体が震えてなかなか眠ることができなかった。
 種田の話は本当だった。
 ある日、朝礼に並んだ三上たちの前で上官は特攻隊員への志願者募集の知らせを告げた。
 三上や種田も、うつむいてじっと自分の足元を見つめいた。
 朝礼が終わり、解散の号令が出されても、皆の足取りは重かった。


 「坂上君。あなたが彼らと同じ立場だったら、どう思いますか?」
  1. 怖いと思う
  2. 逃げ出すと思う
  3. わからない
 「ええ、そう感じるのは当然のことだと思います。ですが、彼らは怖いと思うことさえ許されなかったのです」


 翌日の朝礼で、特攻隊に志願した者たち数名の名前が発表され、その中には種田の名前もあった。
 彼は親友の三上に黙って、志願していたのだ。
 朝礼が終わり、訓練への準備時間になるや否や、三上は種田に詰め寄った。
 「おい、種田、あれはどういうことだ?」
 「すまない。お前に相談せず、決めてしまって」
 「ばかやろう!なぜそんな大事なことを一人で決めたんだ!」
 三上は種田の胸に取りすがりながら声を殺して涙を流した。
 「俺には、相談する価値もないっていうのかよ!」
 「逆だ。お前に相談したら、きっと決心が鈍ってしまうから。だから・・・」
 三上は、種田の瞳から涙が零れ落ちるのを見て、彼の真意を悟った。


 ほどなくして、種田は戦場へと旅立った。
 種田がたった一つしかない命を託すことになったのは練習機だった。
 戦闘機に比べて馬力もない上、思い爆弾を抱えているのだから、速度を出すこともできない。
 種田の乗った機体も、その使命を果たすことなく、敵艦の砲撃の餌食となった。


 「目的を果たすこともできず、若い命を散らしてしまった種田さん。その無念はどれほどのものだったでしょうか。
 ところで、ここ数年のことですが、旧校舎に出るようになったらしいですよ。全身から水を滴らせた、びしょ濡れの日本兵の幽霊がね。
 僕はこの話を先輩から聞いた時、それが遠い戦地から自力でたどり着いた種田さんの魂に違いないと確信しました」


 その先輩の話では、ある生徒が夏休みに旧校舎に忍び込み、友人数人と肝試しをしていた。
 廊下を歩いていると、闇の中にぼうっと何か青白いものが浮き上がって見えた。
 彼らの前に現れたのは、ボロボロになったカーキ色の軍服を身にまとい、崩れそうな体を日本刀で杖のように支えて、かろうじて立っている骸骨だった。
 それはピシャリ、ピシャリと水音を響かせながら近づいきて、地の底から響いてくる声で語りかけてきた。
 「ニホンハ、マケタノカ」


 「旧校舎に現れた霊は、一体何者なのでしょう?」
  1. 悪霊
  2. 種田の霊
 「たしかに、旧校舎にいるタチの悪い悪霊が多いですが、現れたこの霊は本当に悪霊なのでしょうか」


 「負けました!」
 その中の一人が叫ぶと、霊の動きが止まった。
 「マ、ケ、タ・・・?」
 「はい、日本は戦争に負けました・・・
 でも、戦後に目覚ましい復興を遂げて、今の僕たちは、平和な生活を送っています。あの・・・なんて言っていいのかわかりませんが、その・・・」
 そして、霊に深々と頭を下げて
 「ありがとうございました」と言った。
 「・・・ソウ・・・カ」
 その一言を聞くと、霊はスーっと闇に消えて行った。


 「真夏に旧校舎に忍び込むと、その霊に会えるそうです。8月15日あたり・・・そう、ちょうど終戦記念日のあたりですね。
 旧校舎は今年、取り壊されてしまうそうですが、そうなったら、種田さんの霊はどこに行ってしまうんでしょうね」


 荒井エンディング№08:廊下の幽霊
 CGギャラリー:42/124
 41:故郷を求めて
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新堂エンディング№24:伝えたかったもの


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?

 
 4週目開始!


 1人目は新堂誠を選択。


 「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
  1. なんとなく入りました
  2. 前から憧れてしました
  3. 何かお勧めのクラブは?
 「俺が勧められる部活は・・・」
  1. ボクシング部
  2. 空手部
  3. パフェ同好会
 シナリオ:ゴングが鳴って開始!


「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
  1. 人を殴る為→新堂エンディング№19:へそまがり新堂エンディング№22:強さ
  2. ストレス解消→新堂エンディング№22:強さ
  3. 強くなるため
 「おう、わかってるじゃねぇか。そうだ、ボクシング部にはいる奴は、強くなりてぇと思ってる。
 坂上、お前も男なら強くなりたいと思うか?」
  1. 強くなりたい
  2. 今のままでいい→新堂エンディング№22:強さ
 「男ならそう思うのが普通だ。でもな、本当の強さってのは、腕っぷしで決まるもんじゃない。
 生きていることへの感謝からくるやさしさと、自信。この精神的な強さから本当の強さが生まれるんだ。
 これを履き違えると、とんでもねえ事態を引き起こすことになる」


 新堂が1年生の時、同じ学年に新谷健也という生徒がいた。
 新谷は、同じクラスの粋がっている連中にしょっちゅういじめられていた。
 ここの学校の教師は、そういうのを見て見ぬ振りをするのがほとんどだったが、担任の植野裕樹だけは、この学校には珍しく、いじめを見逃さない、許さない、心に芯のある男だった。だから、新谷はよく植野に助けられていた。
 「またお前らか!やめろって言ってるのがわからんのか!」
 「やべ、植野が来た。逃げっぞ!」
 「新谷、大丈夫か?」
 「はい、ありがとうございます」
 「しかし、あいつらも懲りないな。
 お前に非があるとは言わないが、やはりいじめられた時に対抗できるようにならないとな」
 「はい」
 「そうだ、俺が顧問をやっている部活に入れ。
 そこで鍛えて、あいつらがいじめてきても、やり返せるようにするんだ!
 本来、腕っぷしに訴えかけるのは、気が引けるが・・・」


 植野が顧問をしていたのはボクシング部だったので、新谷は植野に言われるまま、ボクシング部に入部し、植野の指導が始まった。
 「さあ、練習を始めるぞ!ゴングが鳴ったら試合開始だ!」
 「はい・・・」
 「どうした?相手に向かって行かないと練習にならないぞ」
 「あの・・・暴力は・・・」
 「暴力じゃない、スポーツだ。そして、自分を鍛える鍛錬でもある。
 さあ、新谷、がんばるんだ」


 いじめられている人間に、相手に立ち向かっていくという精神を植え付けるのは大変なことだったが、植野はそれを根気よく新谷に教え込んだ。
 「別に相手に怪我を負わせるのが目的じゃないんだ。お前の場合、いじめられないように防衛できればいいんだからな。
 さらにそういうことに怯えない強い心を作らないとな。そして、立ち向かっていく精神を・・・」
 「はい」
 「さあ、頑張るんだ。ゴングが鳴ったら、お前は変わる!
 新谷、お前は強い。いじめっ子なんかには負けないくらい強いんだ!
 さあ、立ち向かえ!」
 そうやって、植野は毎日新谷に、お前は強いんだ、と言って聞かせていた。
 それを繰り返していると、少しずつ新谷の心に変化が訪れた。


 ある日、いじめっ子たちが新谷のズボンを無理やりに脱がそうとした時、新谷は「やめろよ!」と言って、両手でいじめっ子を押しのけた。
 思わぬ反撃を受けたいじめっ子たちは、新谷に向かって拳を振り上げたが、新谷は植野との練習で体が覚えていたので、とっさにそれをよけて、いじめっ子に右ストレートを叩きこんだ。
 その時、騒ぎを聞きつけた植野が現れたので、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
 「先生、僕、逆らえました。立ち向かっていけました!」
 「やったじゃないか、新谷。
 これでもう、俺がいなくても大丈夫だな。特訓もしなくてもいいだろう。
 もともといじめらないように始めた特訓だったんだから、立ち向かっていけるなら、もう必要ないだろう?」
 「あの、僕、ボクシング続けたいです!
 確かに最初は、あいつらに立ち向かっていけるように始めました。でも、ボクシング、大変だけど楽しいし、僕、もっと強くなりたいんです!」
 生徒のやる気に応えてやるのが教師だから、植野は喜んで答えた。
 「よし!じゃあ次の練習試合を目指して特訓しよう。これからは、もっと厳しくしていくからな」
 「はい!」


 最初はやらされている感があった新谷だが、次第にボクシングに目覚めていった。
 植野のおかげで心は強くなった。
 次は本格的にボクシングを極めるために、技術を学んでいった。


 「新谷、お前は精神的にはだいぶ強くなった。次は技術だ。
 ゴングの音が鳴ったら、お前は最強の選手になる!」
 「はい!」
 植野の厳しい指導は毎日続いた。
 新谷は試合まで植野に付きっ切りでコーチしてもらった。


 そして次の練習試合の日になった。
 結果はKO負け。2週間やそこらの付け焼刃で何年もやってる奴にかなうわけない。
 でも、植野は、相手に立ち向かっていく心は評価した。
 「今日は初めての試合で緊張しただろう?」
 「はい」
 「緊張すると、普段の自分の力は出し切れないものだ。それにお前は、ボクシングを始めたばかりだから、これから努力していけばいいだけさ」
 「はい!」
 「ゴングが鳴れば、そこは試合の中なんだから、手加減しなくていいんだ。お前の力をすべて出し切り、本気で相手に立ち向かっていく。
 ボクシングはケンカじゃない。れっきとしたスポーツなんだから、ゴングの音が聞こえたら全力でぶつかっていけ!」
 「わかりました!次は全力でぶつかれるように頑張ります!」
 「よ~し、また明日から特訓だぞ」
 「はい!」


 植野はあんなに弱くて、いじめられてばかりいた新谷が成長し、変わっていってくれたことを喜んでいた。
 新谷も、自分が着実に強くなっていることに嬉しさを隠しきれなかった。


 新谷はどんどん強くなっていった。
 半年も過ぎれば、昔のいじめられていた頃の面影はすっかりなくなっていた。
 リングの上の新谷は強かった。ゴングが鳴ると、まるで人が変わったように鋭いパンチを繰り出すとてつもない集中力の持ち主だった。


 その日、いつもの練習試合を終えた植野は、帰りの方向が一緒だった新谷と帰っていた。
 今日の試合は新谷のKO勝ちで、植野はひどくご機嫌だった。
 こんな日は一杯飲みたい気分の植野は、新谷と別れて、一人居酒屋に立ち寄ることにした。
 「それじゃあ新谷。俺は今日こっちだから」
 「お疲れ様です!」


 新谷と別れ、居酒屋で一杯やっていた植野はほろ酔い気分で夜道を歩いていた。
 どこからか、消防車のサイレンの音がする。
 どこかで火事でもあったんだろうか。そんななことを考えながら、ふらふらと歩いて、家に向かっていると、公園の傍でを通りかかったときに、公園から変なうめき声が聞こえて来た。
 植野は気になって公園に入って行った。
 「助けてくれ・・・」
 植野が公園に入ると茂みの中から、男が這いずり出た。
 顔面を殴られたのか、顔中血まみれで、その口からはごふごふと赤い泡を噴出していた。
 しかし、すぐに茂みに引きずり込まれていった。
 その後すぐに人を殴る音が聞こえて来た。
 「ぎゃっ、やめろ、ぐはっ」
 「おい」
 植野は思わず声を掛けた。
 すると茂みの中から誰かがにゅっと姿を現した。
 その姿を見て、植野は驚きを隠せなかった。
 影から出て来たのは新谷だった。血だらけの手で、顔は薄ら笑いを浮かべている。
 「何をしているんだ、新谷」
 「あれ、先生・・・」
 「お前、こんなをことして、どうなるかわかっているのか?」
 「ゴングが鳴ったんです。試合が始まったから、僕は・・・」
 植野は呆然とした。
 その植野の耳にまた消防車の音が聞こえて来た。消防車の音には、半鐘の音も混じっていた。
 途端、新谷の顔つきが変わった。そして、おもむろにファイティングポーズをとった。
 「ぐわああ!」
 新谷は目の前にいる植野を何も言わず殴りつけた。
 ふいをつかれた植野はバランスを崩し、その場に倒れ込んだ。
 そこへ新谷が馬乗りになって、さらに植野にパンチを浴びせ続けた。
 新谷は一心不乱に植野を殴り続けた。植野の鼻が折れても、眼球が飛び出しても、顎の骨が砕けても。試合のゴングが鳴るまで・・・
 結局、近くの住民が気付いて、警察が来て取り押さえるまで殴るのをやめなかった。
 新谷は自分の両手の骨が折れても殴るのをやめなかった。そのせいか、指の骨がめちゃくちゃに砕け、砕けた骨が皮膚を突き破り、何本もの赤黒い骨が突き出していた。
 手はグローブみたいな大きさに腫れあがり、植野の血を浴びて真っ赤なグローブのような輝きを放っていたそうだ。


 「植野はもちろん死んだよ。
 そして、加害者である新谷は、後を追うように自殺した。手の怪我で搬送された先の病院の屋上から飛び降りたんだ。
 『強くなりたい』そんな純粋な気持ちで始めたボクシングだったのに、なんでこんなことになっちまったんだろうな」
  1. なぜ植野を殴ったのか→新堂エンディング№20:ゴングが鳴って
  2. なぜその話を知っているのか→新堂エンディング№21:贖罪
  3. なぜ、新谷はそんなに強いのか→新堂エンディング№23:強さの秘訣
  4. 植野はそんなに熱心だったのか
 「あの、植野先生は、なんでそんなに新谷さんに熱心だったんでしょうか」
 「さあな。けど、噂によると、植野は昔すごいいじめられっ子だったらしいぜ。
 毎日激しいいじめに合い、それに抵抗するためボクシングを始めたって聞いた事ある。
 だから、植野の奴は新谷に自分を重ねてたのかもしれねえ。
 それが、こんなことになっちまうなんてな」


 新堂エンディング№24:伝えたかったもの
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新堂エンディング№23:強さの秘訣


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?

 
 4週目開始!


 1人目は新堂誠を選択。


 「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
  1. なんとなく入りました
  2. 前から憧れてしました
  3. 何かお勧めのクラブは?
 「俺が勧められる部活は・・・」
  1. ボクシング部
  2. 空手部
  3. パフェ同好会
 シナリオ:ゴングが鳴って開始!


「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
  1. 人を殴る為→新堂エンディング№19:へそまがり新堂エンディング№22:強さ
  2. ストレス解消→新堂エンディング№22:強さ
  3. 強くなるため
 「おう、わかってるじゃねぇか。そうだ、ボクシング部にはいる奴は、強くなりてぇと思ってる。
 坂上、お前も男なら強くなりたいと思うか?」
  1. 強くなりたい
  2. 今のままでいい
 「男ならそう思うのが普通だ。でもな、本当の強さってのは、腕っぷしで決まるもんじゃない。
 生きていることへの感謝からくるやさしさと、自信。この精神的な強さから本当の強さが生まれるんだ。
 これを履き違えると、とんでもねえ事態を引き起こすことになる」


 新堂が1年生の時、同じ学年に新谷健也という生徒がいた。
 新谷は、同じクラスの粋がっている連中にしょっちゅういじめられていた。
 ここの学校の教師は、そういうのを見て見ぬ振りをするのがほとんどだったが、担任の植野裕樹だけは、この学校には珍しく、いじめを見逃さない、許さない、心に芯のある男だった。だから、新谷はよく植野に助けられていた。
 「またお前らか!やめろって言ってるのがわからんのか!」
 「やべ、植野が来た。逃げっぞ!」
 「新谷、大丈夫か?」
 「はい、ありがとうございます」
 「しかし、あいつらも懲りないな。
 お前に非があるとは言わないが、やはりいじめられた時に対抗できるようにならないとな」
 「はい」
 「そうだ、俺が顧問をやっている部活に入れ。
 そこで鍛えて、あいつらがいじめてきても、やり返せるようにするんだ!
 本来、腕っぷしに訴えかけるのは、気が引けるが・・・」


 植野が顧問をしていたのはボクシング部だったので、新谷は植野に言われるまま、ボクシング部に入部し、植野の指導が始まった。
 「さあ、練習を始めるぞ!ゴングが鳴ったら試合開始だ!」
 「はい・・・」
 「どうした?相手に向かって行かないと練習にならないぞ」
 「あの・・・暴力は・・・」
 「暴力じゃない、スポーツだ。そして、自分を鍛える鍛錬でもある。
 さあ、新谷、がんばるんだ」


 いじめられている人間に、相手に立ち向かっていくという精神を植え付けるのは大変なことだったが、植野はそれを根気よく新谷に教え込んだ。
 「別に相手に怪我を負わせるのが目的じゃないんだ。お前の場合、いじめられないように防衛できればいいんだからな。
 さらにそういうことに怯えない強い心を作らないとな。そして、立ち向かっていく精神を・・・」
 「はい」
 「さあ、頑張るんだ。ゴングが鳴ったら、お前は変わる!
 新谷、お前は強い。いじめっ子なんかには負けないくらい強いんだ!
 さあ、立ち向かえ!」
 そうやって、植野は毎日新谷に、お前は強いんだ、と言って聞かせていた。
 それを繰り返していると、少しずつ新谷の心に変化が訪れた。


 ある日、いじめっ子たちが新谷のズボンを無理やりに脱がそうとした時、新谷は「やめろよ!」と言って、両手でいじめっ子を押しのけた。
 思わぬ反撃を受けたいじめっ子たちは、新谷に向かって拳を振り上げたが、新谷は植野との練習で体が覚えていたので、とっさにそれをよけて、いじめっ子に右ストレートを叩きこんだ。
 その時、騒ぎを聞きつけた植野が現れたので、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
 「先生、僕、逆らえました。立ち向かっていけました!」
 「やったじゃないか、新谷。
 これでもう、俺がいなくても大丈夫だな。特訓もしなくてもいいだろう。
 もともといじめらないように始めた特訓だったんだから、立ち向かっていけるなら、もう必要ないだろう?」
 「あの、僕、ボクシング続けたいです!
 確かに最初は、あいつらに立ち向かっていけるように始めました。でも、ボクシング、大変だけど楽しいし、僕、もっと強くなりたいんです!」
 生徒のやる気に応えてやるのが教師だから、植野は喜んで答えた。
 「よし!じゃあ次の練習試合を目指して特訓しよう。これからは、もっと厳しくしていくからな」
 「はい!」


 最初はやらされている感があった新谷だが、次第にボクシングに目覚めていった。
 植野のおかげで心は強くなった。
 次は本格的にボクシングを極めるために、技術を学んでいった。


 「新谷、お前は精神的にはだいぶ強くなった。次は技術だ。
 ゴングの音が鳴ったら、お前は最強の選手になる!」
 「はい!」
 植野の厳しい指導は毎日続いた。
 新谷は試合まで植野に付きっ切りでコーチしてもらった。


 そして次の練習試合の日になった。
 結果はKO負け。2週間やそこらの付け焼刃で何年もやってる奴にかなうわけない。
 でも、植野は、相手に立ち向かっていく心は評価した。
 「今日は初めての試合で緊張しただろう?」
 「はい」
 「緊張すると、普段の自分の力は出し切れないものだ。それにお前は、ボクシングを始めたばかりだから、これから努力していけばいいだけさ」
 「はい!」
 「ゴングが鳴れば、そこは試合の中なんだから、手加減しなくていいんだ。お前の力をすべて出し切り、本気で相手に立ち向かっていく。
 ボクシングはケンカじゃない。れっきとしたスポーツなんだから、ゴングの音が聞こえたら全力でぶつかっていけ!」
 「わかりました!次は全力でぶつかれるように頑張ります!」
 「よ~し、また明日から特訓だぞ」
 「はい!」


 植野はあんなに弱くて、いじめられてばかりいた新谷が成長し、変わっていってくれたことを喜んでいた。
 新谷も、自分が着実に強くなっていることに嬉しさを隠しきれなかった。


 新谷はどんどん強くなっていった。
 半年も過ぎれば、昔のいじめられていた頃の面影はすっかりなくなっていた。
 リングの上の新谷は強かった。ゴングが鳴ると、まるで人が変わったように鋭いパンチを繰り出すとてつもない集中力の持ち主だった。


 その日、いつもの練習試合を終えた植野は、帰りの方向が一緒だった新谷と帰っていた。
 今日の試合は新谷のKO勝ちで、植野はひどくご機嫌だった。
 こんな日は一杯飲みたい気分の植野は、新谷と別れて、一人居酒屋に立ち寄ることにした。
 「それじゃあ新谷。俺は今日こっちだから」
 「お疲れ様です!」


 新谷と別れ、居酒屋で一杯やっていた植野はほろ酔い気分で夜道を歩いていた。
 どこからか、消防車のサイレンの音がする。
 どこかで火事でもあったんだろうか。そんななことを考えながら、ふらふらと歩いて、家に向かっていると、公園の傍でを通りかかったときに、公園から変なうめき声が聞こえて来た。
 植野は気になって公園に入って行った。
 「助けてくれ・・・」
 植野が公園に入ると茂みの中から、男が這いずり出た。
 顔面を殴られたのか、顔中血まみれで、その口からはごふごふと赤い泡を噴出していた。
 しかし、すぐに茂みに引きずり込まれていった。
 その後すぐに人を殴る音が聞こえて来た。
 「ぎゃっ、やめろ、ぐはっ」
 「おい」
 植野は思わず声を掛けた。
 すると茂みの中から誰かがにゅっと姿を現した。
 その姿を見て、植野は驚きを隠せなかった。
 影から出て来たのは新谷だった。血だらけの手で、顔は薄ら笑いを浮かべている。
 「何をしているんだ、新谷」
 「あれ、先生・・・」
 「お前、こんなをことして、どうなるかわかっているのか?」
 「ゴングが鳴ったんです。試合が始まったから、僕は・・・」
 植野は呆然とした。
 その植野の耳にまた消防車の音が聞こえて来た。消防車の音には、半鐘の音も混じっていた。
 途端、新谷の顔つきが変わった。そして、おもむろにファイティングポーズをとった。
 「ぐわああ!」
 新谷は目の前にいる植野を何も言わず殴りつけた。
 ふいをつかれた植野はバランスを崩し、その場に倒れ込んだ。
 そこへ新谷が馬乗りになって、さらに植野にパンチを浴びせ続けた。
 新谷は一心不乱に植野を殴り続けた。植野の鼻が折れても、眼球が飛び出しても、顎の骨が砕けても。試合のゴングが鳴るまで・・・
 結局、近くの住民が気付いて、警察が来て取り押さえるまで殴るのをやめなかった。
 新谷は自分の両手の骨が折れても殴るのをやめなかった。そのせいか、指の骨がめちゃくちゃに砕け、砕けた骨が皮膚を突き破り、何本もの赤黒い骨が突き出していた。
 手はグローブみたいな大きさに腫れあがり、植野の血を浴びて真っ赤なグローブのような輝きを放っていたそうだ。


 「植野はもちろん死んだよ。
 そして、加害者である新谷は、後を追うように自殺した。手の怪我で搬送された先の病院の屋上から飛び降りたんだ。
 『強くなりたい』そんな純粋な気持ちで始めたボクシングだったのに、なんでこんなことになっちまったんだろうな」
  1. なぜ植野を殴ったのか→新堂エンディング№20:ゴングが鳴って
  2. なぜその話を知っているのか→新堂エンディング№21:贖罪
  3. なぜ、新谷はそんなに強いのか
  4. 植野はそんなに熱心だったのか
 「あの、新谷さんは、なぜそんなに強かったんでしょうか。いじめられっ子の彼が、こんなに強くなれるなんて、何だか信じられなくて・・・」
 「坂上、一つ教えといてやるよ。
 強さってのは、強くなりたいって思い続けた奴だけが強くなれるんだ。
 新谷は、いじめられっ子だった分、強いものに対する憧れも強かった。
 植野もそんな新谷の心意気に応えて熱心に指導していた。
 それが仇になるなんてな・・・」


 新堂エンディング№23:強さの秘訣
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新堂エンディング№21:贖罪


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?

 
 4週目開始!


 1人目は新堂誠を選択。


 「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
  1. なんとなく入りました
  2. 前から憧れてしました
  3. 何かお勧めのクラブは?
 「俺が勧められる部活は・・・」
  1. ボクシング部
  2. 空手部
  3. パフェ同好会
 シナリオ:ゴングが鳴って開始!


「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
  1. 人を殴る為→新堂エンディング№19:へそまがり新堂エンディング№22:強さ
  2. ストレス解消→新堂エンディング№22:強さ
  3. 強くなるため
 「おう、わかってるじゃねぇか。そうだ、ボクシング部にはいる奴は、強くなりてぇと思ってる。
 坂上、お前も男なら強くなりたいと思うか?」
  1. 強くなりたい
  2. 今のままでいい
 「男ならそう思うのが普通だ。でもな、本当の強さってのは、腕っぷしで決まるもんじゃない。
 生きていることへの感謝からくるやさしさと、自信。この精神的な強さから本当の強さが生まれるんだ。
 これを履き違えると、とんでもねえ事態を引き起こすことになる」


 新堂が1年生の時、同じ学年に新谷健也という生徒がいた。
 新谷は、同じクラスの粋がっている連中にしょっちゅういじめられていた。
 ここの学校の教師は、そういうのを見て見ぬ振りをするのがほとんどだったが、担任の植野裕樹だけは、この学校には珍しく、いじめを見逃さない、許さない、心に芯のある男だった。だから、新谷はよく植野に助けられていた。
 「またお前らか!やめろって言ってるのがわからんのか!」
 「やべ、植野が来た。逃げっぞ!」
 「新谷、大丈夫か?」
 「はい、ありがとうございます」
 「しかし、あいつらも懲りないな。
 お前に非があるとは言わないが、やはりいじめられた時に対抗できるようにならないとな」
 「はい」
 「そうだ、俺が顧問をやっている部活に入れ。
 そこで鍛えて、あいつらがいじめてきても、やり返せるようにするんだ!
 本来、腕っぷしに訴えかけるのは、気が引けるが・・・」


 植野が顧問をしていたのはボクシング部だったので、新谷は植野に言われるまま、ボクシング部に入部し、植野の指導が始まった。
 「さあ、練習を始めるぞ!ゴングが鳴ったら試合開始だ!」
 「はい・・・」
 「どうした?相手に向かって行かないと練習にならないぞ」
 「あの・・・暴力は・・・」
 「暴力じゃない、スポーツだ。そして、自分を鍛える鍛錬でもある。
 さあ、新谷、がんばるんだ」


 いじめられている人間に、相手に立ち向かっていくという精神を植え付けるのは大変なことだったが、植野はそれを根気よく新谷に教え込んだ。
 「別に相手に怪我を負わせるのが目的じゃないんだ。お前の場合、いじめられないように防衛できればいいんだからな。
 さらにそういうことに怯えない強い心を作らないとな。そして、立ち向かっていく精神を・・・」
 「はい」
 「さあ、頑張るんだ。ゴングが鳴ったら、お前は変わる!
 新谷、お前は強い。いじめっ子なんかには負けないくらい強いんだ!
 さあ、立ち向かえ!」
 そうやって、植野は毎日新谷に、お前は強いんだ、と言って聞かせていた。
 それを繰り返していると、少しずつ新谷の心に変化が訪れた。


 ある日、いじめっ子たちが新谷のズボンを無理やりに脱がそうとした時、新谷は「やめろよ!」と言って、両手でいじめっ子を押しのけた。
 思わぬ反撃を受けたいじめっ子たちは、新谷に向かって拳を振り上げたが、新谷は植野との練習で体が覚えていたので、とっさにそれをよけて、いじめっ子に右ストレートを叩きこんだ。
 その時、騒ぎを聞きつけた植野が現れたので、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
 「先生、僕、逆らえました。立ち向かっていけました!」
 「やったじゃないか、新谷。
 これでもう、俺がいなくても大丈夫だな。特訓もしなくてもいいだろう。
 もともといじめらないように始めた特訓だったんだから、立ち向かっていけるなら、もう必要ないだろう?」
 「あの、僕、ボクシング続けたいです!
 確かに最初は、あいつらに立ち向かっていけるように始めました。でも、ボクシング、大変だけど楽しいし、僕、もっと強くなりたいんです!」
 生徒のやる気に応えてやるのが教師だから、植野は喜んで答えた。
 「よし!じゃあ次の練習試合を目指して特訓しよう。これからは、もっと厳しくしていくからな」
 「はい!」


 最初はやらされている感があった新谷だが、次第にボクシングに目覚めていった。
 植野のおかげで心は強くなった。
 次は本格的にボクシングを極めるために、技術を学んでいった。


 「新谷、お前は精神的にはだいぶ強くなった。次は技術だ。
 ゴングの音が鳴ったら、お前は最強の選手になる!」
 「はい!」
 植野の厳しい指導は毎日続いた。
 新谷は試合まで植野に付きっ切りでコーチしてもらった。


 そして次の練習試合の日になった。
 結果はKO負け。2週間やそこらの付け焼刃で何年もやってる奴にかなうわけない。
 でも、植野は、相手に立ち向かっていく心は評価した。
 「今日は初めての試合で緊張しただろう?」
 「はい」
 「緊張すると、普段の自分の力は出し切れないものだ。それにお前は、ボクシングを始めたばかりだから、これから努力していけばいいだけさ」
 「はい!」
 「ゴングが鳴れば、そこは試合の中なんだから、手加減しなくていいんだ。お前の力をすべて出し切り、本気で相手に立ち向かっていく。
 ボクシングはケンカじゃない。れっきとしたスポーツなんだから、ゴングの音が聞こえたら全力でぶつかっていけ!」
 「わかりました!次は全力でぶつかれるように頑張ります!」
 「よ~し、また明日から特訓だぞ」
 「はい!」


 植野はあんなに弱くて、いじめられてばかりいた新谷が成長し、変わっていってくれたことを喜んでいた。
 新谷も、自分が着実に強くなっていることに嬉しさを隠しきれなかった。


 新谷はどんどん強くなっていった。
 半年も過ぎれば、昔のいじめられていた頃の面影はすっかりなくなっていた。
 リングの上の新谷は強かった。ゴングが鳴ると、まるで人が変わったように鋭いパンチを繰り出すとてつもない集中力の持ち主だった。


 その日、いつもの練習試合を終えた植野は、帰りの方向が一緒だった新谷と帰っていた。
 今日の試合は新谷のKO勝ちで、植野はひどくご機嫌だった。
 こんな日は一杯飲みたい気分の植野は、新谷と別れて、一人居酒屋に立ち寄ることにした。
 「それじゃあ新谷。俺は今日こっちだから」
 「お疲れ様です!」


 新谷と別れ、居酒屋で一杯やっていた植野はほろ酔い気分で夜道を歩いていた。
 どこからか、消防車のサイレンの音がする。
 どこかで火事でもあったんだろうか。そんななことを考えながら、ふらふらと歩いて、家に向かっていると、公園の傍でを通りかかったときに、公園から変なうめき声が聞こえて来た。
 植野は気になって公園に入って行った。
 「助けてくれ・・・」
 植野が公園に入ると茂みの中から、男が這いずり出た。
 顔面を殴られたのか、顔中血まみれで、その口からはごふごふと赤い泡を噴出していた。
 しかし、すぐに茂みに引きずり込まれていった。
 その後すぐに人を殴る音が聞こえて来た。
 「ぎゃっ、やめろ、ぐはっ」
 「おい」
 植野は思わず声を掛けた。
 すると茂みの中から誰かがにゅっと姿を現した。
 その姿を見て、植野は驚きを隠せなかった。
 影から出て来たのは新谷だった。血だらけの手で、顔は薄ら笑いを浮かべている。
 「何をしているんだ、新谷」
 「あれ、先生・・・」
 「お前、こんなをことして、どうなるかわかっているのか?」
 「ゴングが鳴ったんです。試合が始まったから、僕は・・・」
 植野は呆然とした。
 その植野の耳にまた消防車の音が聞こえて来た。消防車の音には、半鐘の音も混じっていた。
 途端、新谷の顔つきが変わった。そして、おもむろにファイティングポーズをとった。
 「ぐわああ!」
 新谷は目の前にいる植野を何も言わず殴りつけた。
 ふいをつかれた植野はバランスを崩し、その場に倒れ込んだ。
 そこへ新谷が馬乗りになって、さらに植野にパンチを浴びせ続けた。
 新谷は一心不乱に植野を殴り続けた。植野の鼻が折れても、眼球が飛び出しても、顎の骨が砕けても。試合のゴングが鳴るまで・・・
 結局、近くの住民が気付いて、警察が来て取り押さえるまで殴るのをやめなかった。
 新谷は自分の両手の骨が折れても殴るのをやめなかった。そのせいか、指の骨がめちゃくちゃに砕け、砕けた骨が皮膚を突き破り、何本もの赤黒い骨が突き出していた。
 手はグローブみたいな大きさに腫れあがり、植野の血を浴びて真っ赤なグローブのような輝きを放っていたそうだ。


 「植野はもちろん死んだよ。
 そして、加害者である新谷は、後を追うように自殺した。手の怪我で搬送された先の病院の屋上から飛び降りたんだ。
 『強くなりたい』そんな純粋な気持ちで始めたボクシングだったのに、なんでこんなことになっちまったんだろうな」
  1. なぜ植野を殴ったのか→エンディング№20:ゴングが鳴って
  2. なぜその話を知っているのか
  3. なぜ、新谷はそんなに強いのか
  4. 植野はそんなに熱心だったのか
 「あの、なぜ新堂さんは、なぜその話を知っているんでしょうか?」
 「あ?俺はボクシング部なんだよ。新谷とも同期だった。
 植野の奴、運ばれた病院でも、あんなことされたのに、死ぬまで新谷の事気にしてたな。
 『あいつがこうなったのは・・・俺のせいだ・・・すまん・・・』って顔中ぐるぐる巻きされた包帯の中から、悲しそうに呟いていたよ」


 新堂エンディング№21:贖罪
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新堂エンディング№20:ゴングが鳴って


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?

 
 4週目開始!


 1人目は新堂誠を選択。


 「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
  1. なんとなく入りました
  2. 前から憧れてしました
  3. 何かお勧めのクラブは?
 「俺が勧められる部活は・・・」
  1. ボクシング部
  2. 空手部
  3. パフェ同好会
 シナリオ:ゴングが鳴って開始!


「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
  1. 人を殴る為→新堂エンディング№19:へそまがり新堂エンディング№22:強さ
  2. ストレス解消→新堂エンディング№22:強さ
  3. 強くなるため
 「おう、わかってるじゃねぇか。そうだ、ボクシング部にはいる奴は、強くなりてぇと思ってる。
 坂上、お前も男なら強くなりたいと思うか?」
  1. 強くなりたい
  2. 今のままでいい
 「男ならそう思うのが普通だ。でもな、本当の強さってのは、腕っぷしで決まるもんじゃない。
 生きていることへの感謝からくるやさしさと、自信。この精神的な強さから本当の強さが生まれるんだ。
 これを履き違えると、とんでもねえ事態を引き起こすことになる」


 新堂が1年生の時、同じ学年に新谷健也という生徒がいた。
 新谷は、同じクラスの粋がっている連中にしょっちゅういじめられていた。
 ここの学校の教師は、そういうのを見て見ぬ振りをするのがほとんどだったが、担任の植野裕樹だけは、この学校には珍しく、いじめを見逃さない、許さない、心に芯のある男だった。だから、新谷はよく植野に助けられていた。
 「またお前らか!やめろって言ってるのがわからんのか!」
 「やべ、植野が来た。逃げっぞ!」
 「新谷、大丈夫か?」
 「はい、ありがとうございます」
 「しかし、あいつらも懲りないな。
 お前に非があるとは言わないが、やはりいじめられた時に対抗できるようにならないとな」
 「はい」
 「そうだ、俺が顧問をやっている部活に入れ。
 そこで鍛えて、あいつらがいじめてきても、やり返せるようにするんだ!
 本来、腕っぷしに訴えかけるのは、気が引けるが・・・」


 植野が顧問をしていたのはボクシング部だったので、新谷は植野に言われるまま、ボクシング部に入部し、植野の指導が始まった。
 「さあ、練習を始めるぞ!ゴングが鳴ったら試合開始だ!」
 「はい・・・」
 「どうした?相手に向かって行かないと練習にならないぞ」
 「あの・・・暴力は・・・」
 「暴力じゃない、スポーツだ。そして、自分を鍛える鍛錬でもある。
 さあ、新谷、がんばるんだ」


 いじめられている人間に、相手に立ち向かっていくという精神を植え付けるのは大変なことだったが、植野はそれを根気よく新谷に教え込んだ。
 「別に相手に怪我を負わせるのが目的じゃないんだ。お前の場合、いじめられないように防衛できればいいんだからな。
 さらにそういうことに怯えない強い心を作らないとな。そして、立ち向かっていく精神を・・・」
 「はい」
 「さあ、頑張るんだ。ゴングが鳴ったら、お前は変わる!
 新谷、お前は強い。いじめっ子なんかには負けないくらい強いんだ!
 さあ、立ち向かえ!」
 そうやって、植野は毎日新谷に、お前は強いんだ、と言って聞かせていた。
 それを繰り返していると、少しずつ新谷の心に変化が訪れた。


 ある日、いじめっ子たちが新谷のズボンを無理やりに脱がそうとした時、新谷は「やめろよ!」と言って、両手でいじめっ子を押しのけた。
 思わぬ反撃を受けたいじめっ子たちは、新谷に向かって拳を振り上げたが、新谷は植野との練習で体が覚えていたので、とっさにそれをよけて、いじめっ子に右ストレートを叩きこんだ。
 その時、騒ぎを聞きつけた植野が現れたので、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
 「先生、僕、逆らえました。立ち向かっていけました!」
 「やったじゃないか、新谷。
 これでもう、俺がいなくても大丈夫だな。特訓もしなくてもいいだろう。
 もともといじめらないように始めた特訓だったんだから、立ち向かっていけるなら、もう必要ないだろう?」
 「あの、僕、ボクシング続けたいです!
 確かに最初は、あいつらに立ち向かっていけるように始めました。でも、ボクシング、大変だけど楽しいし、僕、もっと強くなりたいんです!」
 生徒のやる気に応えてやるのが教師だから、植野は喜んで答えた。
 「よし!じゃあ次の練習試合を目指して特訓しよう。これからは、もっと厳しくしていくからな」
 「はい!」


 最初はやらされている感があった新谷だが、次第にボクシングに目覚めていった。
 植野のおかげで心は強くなった。
 次は本格的にボクシングを極めるために、技術を学んでいった。


 「新谷、お前は精神的にはだいぶ強くなった。次は技術だ。
 ゴングの音が鳴ったら、お前は最強の選手になる!」
 「はい!」
 植野の厳しい指導は毎日続いた。
 新谷は試合まで植野に付きっ切りでコーチしてもらった。


 そして次の練習試合の日になった。
 結果はKO負け。2週間やそこらの付け焼刃で何年もやってる奴にかなうわけない。
 でも、植野は、相手に立ち向かっていく心は評価した。
 「今日は初めての試合で緊張しただろう?」
 「はい」
 「緊張すると、普段の自分の力は出し切れないものだ。それにお前は、ボクシングを始めたばかりだから、これから努力していけばいいだけさ」
 「はい!」
 「ゴングが鳴れば、そこは試合の中なんだから、手加減しなくていいんだ。お前の力をすべて出し切り、本気で相手に立ち向かっていく。
 ボクシングはケンカじゃない。れっきとしたスポーツなんだから、ゴングの音が聞こえたら全力でぶつかっていけ!」
 「わかりました!次は全力でぶつかれるように頑張ります!」
 「よ~し、また明日から特訓だぞ」
 「はい!」


 植野はあんなに弱くて、いじめられてばかりいた新谷が成長し、変わっていってくれたことを喜んでいた。
 新谷も、自分が着実に強くなっていることに嬉しさを隠しきれなかった。


 新谷はどんどん強くなっていった。
 半年も過ぎれば、昔のいじめられていた頃の面影はすっかりなくなっていた。
 リングの上の新谷は強かった。ゴングが鳴ると、まるで人が変わったように鋭いパンチを繰り出すとてつもない集中力の持ち主だった。


 その日、いつもの練習試合を終えた植野は、帰りの方向が一緒だった新谷と帰っていた。
 今日の試合は新谷のKO勝ちで、植野はひどくご機嫌だった。
 こんな日は一杯飲みたい気分の植野は、新谷と別れて、一人居酒屋に立ち寄ることにした。
 「それじゃあ新谷。俺は今日こっちだから」
 「お疲れ様です!」


 新谷と別れ、居酒屋で一杯やっていた植野はほろ酔い気分で夜道を歩いていた。
 どこからか、消防車のサイレンの音がする。
 どこかで火事でもあったんだろうか。そんななことを考えながら、ふらふらと歩いて、家に向かっていると、公園の傍でを通りかかったときに、公園から変なうめき声が聞こえて来た。
 植野は気になって公園に入って行った。
 「助けてくれ・・・」
 植野が公園に入ると茂みの中から、男が這いずり出た。
 顔面を殴られたのか、顔中血まみれで、その口からはごふごふと赤い泡を噴出していた。
 しかし、すぐに茂みに引きずり込まれていった。
 その後すぐに人を殴る音が聞こえて来た。
 「ぎゃっ、やめろ、ぐはっ」
 「おい」
 植野は思わず声を掛けた。
 すると茂みの中から誰かがにゅっと姿を現した。
 その姿を見て、植野は驚きを隠せなかった。
 影から出て来たのは新谷だった。血だらけの手で、顔は薄ら笑いを浮かべている。
 「何をしているんだ、新谷」
 「あれ、先生・・・」
 「お前、こんなをことして、どうなるかわかっているのか?」
 「ゴングが鳴ったんです。試合が始まったから、僕は・・・」
 植野は呆然とした。
 その植野の耳にまた消防車の音が聞こえて来た。消防車の音には、半鐘の音も混じっていた。
 途端、新谷の顔つきが変わった。そして、おもむろにファイティングポーズをとった。
 「ぐわああ!」
 新谷は目の前にいる植野を何も言わず殴りつけた。
 ふいをつかれた植野はバランスを崩し、その場に倒れ込んだ。
 そこへ新谷が馬乗りになって、さらに植野にパンチを浴びせ続けた。
 新谷は一心不乱に植野を殴り続けた。植野の鼻が折れても、眼球が飛び出しても、顎の骨が砕けても。試合のゴングが鳴るまで・・・
 結局、近くの住民が気付いて、警察が来て取り押さえるまで殴るのをやめなかった。
 新谷は自分の両手の骨が折れても殴るのをやめなかった。そのせいか、指の骨がめちゃくちゃに砕け、砕けた骨が皮膚を突き破り、何本もの赤黒い骨が突き出していた。
 手はグローブみたいな大きさに腫れあがり、植野の血を浴びて真っ赤なグローブのような輝きを放っていたそうだ。


 「植野はもちろん死んだよ。
 そして、加害者である新谷は、後を追うように自殺した。手の怪我で搬送された先の病院の屋上から飛び降りたんだ。
 『強くなりたい』そんな純粋な気持ちで始めたボクシングだったのに、なんでこんなことになっちまったんだろうな」
  1. なぜ植野を殴ったのか
  2. なぜその話を知っているのか
  3. なぜ、新谷はそんなに強いのか
  4. 植野はそんなに熱心だったのか
 「あの、なぜ新谷さんは植野先生のことを殴ったんでしょうか?」
 「さあな。でも、植野は常日頃から言っていた。『ゴングが鳴ったらお前は強くなる。全力でぶるかれ』ってな。
 それが一種の暗示みたいになってたんだろうな。
 消防車の鐘が鳴ったことでスイッチが入っちまって、その場にいる相手を対戦相手だと思い込んじまったかもしれねえな」


 新堂エンディング№20:ゴングが鳴って
 CGギャラリー:41/124
 2:血に染まるグローブ
 



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新堂エンディング№19:へそまがり


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?

 
 4週目開始!


 1人目は新堂誠を選択。


 「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
  1. なんとなく入りました
  2. 前から憧れてしました
  3. 何かお勧めのクラブは?
 「俺が勧められる部活は・・・」
  1. ボクシング部
  2. 空手部
  3. パフェ同好会
 シナリオ:ゴングが鳴って開始!


「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
  1. 人を殴る為
  2. ストレス解消
  3. 強くなるため
 「てめぇ、本気で言ってんのか」
 「ボクシングって、人を殴るだけのスポーツじゃないですか。だから、普通に考えるとそうかなって・・・」
 「ふん、坂上、てめぇには正直がっかりだぜ。ボクシングはそんなもんじゃねぇよ。
 気分が削がれちまったぜ。この話はやめだ、やめだ」



 (新堂さんの機嫌を損ねてしまったようだ)
  1. 話してもらうようお願いする→新堂エンディング№22:強さ
  2. 次の人、お願いします
 「わかりました。では、次の人に・・・」
 「はっ、まったく根性のねぇ奴だな。お前も新聞記者ならもう少し食い下がる根性を見せたらろうだ?」
 「あのー、新堂さん?」
 「俺の話は終わったんだよ。もう話すことはねぇ」


 新堂エンディング№19:へそまがり
 CGギャラリー:40/124
 




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新堂エンディング№22:強さ


 今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?

 
 4週目開始!


 1人目は新堂誠を選択。


 「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
  1. なんとなく入りました
  2. 前から憧れてしました
  3. 何かお勧めのクラブは?
 「俺が勧められる部活は・・・」
  1. ボクシング部
  2. 空手部
  3. パフェ同好会
 シナリオ:ゴングが鳴って開始!


「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
  1. 人を殴る為
  2. ストレス解消
  3. 強くなるため
 「てめぇ、本気で言ってんのか」
 「ボクシングって、人を殴るだけのスポーツじゃないですか。だから、普通に考えるとそうかなって・・・」
 「ふん、坂上、てめぇには正直がっかりだぜ。ボクシングはそんなもんじゃねぇよ。
 気分が削がれちまったぜ。この話はやめだ、やめだ」



 (新堂さんの機嫌を損ねてしまったようだ)
  1. 話してもらうようお願いする
  2. 次の人、お願いします
 「すみません、僕の失言でした。どうか、話を続けてもらえないでしょうか?」
 「いいか、坂上、ボクシングは男のスポーツだ。二度と殴り合いの喧嘩だ、みてえなこと言うんじゃねえぞ」
 「はい、肝に銘じます」
 「しょうがねえな。じゃあ、話を続けてやるよ。
 いいか、坂上。ボクシングは強くなるためにやるんだよ。
 でもな、本当の強さってのは、腕っぷしで決まるもんじゃない。
 生きていることへの感謝からくるやさしさと、自信。この精神的な強さから本当の強さが生まれるんだ。
 これを履き違えると、とんでもねえ事態を引き起こすことになる」


 新堂が1年生の時、同じ学年に新谷健也という生徒がいた。
 新谷は、同じクラスの粋がっている連中にしょっちゅういじめられていた。
 ここの学校の教師は、そういうのを見て見ぬ振りをするのがほとんどだったが、担任の植野裕樹だけは、この学校には珍しく、いじめを見逃さない、許さない、心に芯のある男だった。だから、新谷はよく植野に助けられていた。
 「またお前らか!やめろって言ってるのがわからんのか!」
 「やべ、植野が来た。逃げっぞ!」
 「新谷、大丈夫か?」
 「はい、ありがとうございます」
 「しかし、あいつらも懲りないな。
 お前に非があるとは言わないが、やはりいじめられた時に対抗できるようにならないとな」
 「はい」
 「そうだ、俺が顧問をやっている部活に入れ。
 そこで鍛えて、あいつらがいじめてきても、やり返せるようにするんだ!
 本来、腕っぷしに訴えかけるのは、気が引けるが・・・」


 植野が顧問をしていたのはボクシング部だったので、新谷は植野に言われるまま、ボクシング部に入部し、植野の指導が始まった。
 「さあ、練習を始めるぞ!ゴングが鳴ったら試合開始だ!」
 「はい・・・」
 「どうした?相手に向かって行かないと練習にならないぞ」
 「あの・・・暴力は・・・」
 「暴力じゃない、スポーツだ。そして、自分を鍛える鍛錬でもある。
 さあ、新谷、がんばるんだ」


 いじめられている人間に、相手に立ち向かっていくという精神を植え付けるのは大変なことだったが、植野はそれを根気よく新谷に教え込んだ。
 「別に相手に怪我を負わせるのが目的じゃないんだ。お前の場合、いじめられないように防衛できればいいんだからな。
 さらにそういうことに怯えない強い心を作らないとな。そして、立ち向かっていく精神を・・・」
 「はい」
 「さあ、頑張るんだ。ゴングが鳴ったら、お前は変わる!
 新谷、お前は強い。いじめっ子なんかには負けないくらい強いんだ!
 さあ、立ち向かえ!」
 そうやって、植野は毎日新谷に、お前は強いんだ、と言って聞かせていた。
 それを繰り返していると、少しずつ新谷の心に変化が訪れた。


 ある日、いじめっ子たちが新谷のズボンを無理やりに脱がそうとした時、新谷は「やめろよ!」と言って、両手でいじめっ子を押しのけた。
 思わぬ反撃を受けたいじめっ子たちは、新谷に向かって拳を振り上げたが、新谷は植野との練習で体が覚えていたので、とっさにそれをよけて、いじめっ子に右ストレートを叩きこんだ。
 その時、騒ぎを聞きつけた植野が現れたので、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
 「先生、僕、逆らえました。立ち向かっていけました!」
 「やったじゃないか、新谷。
 これでもう、俺がいなくても大丈夫だな。特訓もしなくてもいいだろう。
 新谷、お前はもう大丈夫だ。お前が反撃できたことであいつらも大人しくなるだろう。
 お前はもう弱い奴じゃないよな?」
 「はい」
 「いい返事だ。それじゃあ、俺はもう行くからな」
 まだ何か言いたげな新谷を残して植野は、その場を後にした。
 責任感の強い植野とはいえ、いじめられるたびに仲裁に入ったりするのに、少し疲れていたのだ。
 それにボクシング部での特訓も、他の部員を差し置き、新谷にばかりつきっきりで特訓をしていたもんだから、当然他の部員から不満の声が上がっていた。
 そういうこともあって、植野も少し新谷のことは重荷に感じ始めていた。
 でも、こうして信谷は反撃することができた。もうあいつは俺がいなくても大丈夫。
 そう思って、今後は極力、新谷のことを構うのはやめようと、植野は思った。


 あの一件以来、いじめっ子たちは新谷にちょっかいを出すのはやめたようだった。
 しかし、新谷の気持ちは複雑だった。
 確かにいじめはなくなったが、いじめっ子たちは新谷の顔を見ると無視するようになった。
 いつも助けてくれた植野も、いじめられない限り、新谷に構わない。
 いじめはなくなったが、新谷は一人になってしまった。
 新谷はもともと内向的な性格だから、自分から友達を作ることはできなかった。


 昼休み、教室から出た新谷は、廊下で大勢の生徒に取り囲まれた植野と鉢合わせた。
 植野は生徒たちからの人気も高く、生徒たちは植野に、いっしょにお昼を食べようと誘っていた。
 植野は、取り巻きの生徒を黙らせてから、思い出したように口を開いて、「そうだ、新谷。お前の一緒に学食で食うか?」と言った。
 しかし、取り巻きの生徒たちは、新谷に対し氷のような視線を投げかけた。
 自分を拒絶する視線だと、新谷は感じた。
 「い、いえ・・・」
 新谷は、そういうのが精一杯だった。
 「そうか、じゃあな、新谷」
 新谷は、生徒たちに囲まれて去っていく植野の背中をいつまでも見ていた。
 身近に感じていた植野の存在を、今は遥か遠くにいるように感じていた。


 放課後、新谷は、自分からいじめっ子に声を掛けたが、いじめっ子たちはいつものように新谷を無視した。
 すると、新谷は、「待ってよ。前みたいに僕のことをいじめてほしいんだ」と言い出したが、いじめっ子たちは「わけわかんないこと言ってんじゃねえぞ」と言いながら、新谷を振り払って去って行った。


 夜、宿直の当番だった植野は、宿直室で日誌を書いていた。
 するとドアが叩かれ、「新谷です」と声が聞こえて来た。
 植野がドアを開けると、全身血まみれになり、うつろな目をした新谷が立っていた。
 「誰にやられたんだ!」
 しかし、新谷は答えない。
 「とにかく、服を脱いで傷口を見せるんだ」
 植野はそう言って新谷の服に手をかけたが、違和感に気づいた。
 新谷の顔や服には傷がないのだ。
 「新谷、これはお前の血じゃないだろう。
 一体これは誰の血だ?」
 「みんな、酷いんですよ。嫌だって言った時はいじめるくせに、いじめてくれって頼んだ時はいじめてくれないんです」
 (まさか新谷があいつらを手にかけたのか?)
 「新谷、お前、どうしてこんなことをしたんだ?」
 「だって、いじめられないと誰も僕のこと、見向きもしてくれない。誰も僕のこと、守ってくれないんだ」
 「新谷、そんなことはない。それよりもこの返り血の奴のところに早く連れて行くんだ」
 「先生は、僕よりもあいつらのことを助けるんですか?」
 「今はそんなこと言っている場合じゃないだろう!早くしないと死んでしまうかもしれないんだぞ!」
 「だめだ!先生は僕を助けてくれなきゃだめなんだ。いつも僕のことを守ってくれなきゃだめなんだ!」
 そういうと、新谷は、植野の首を締めあげた。
 遠くなる意識の中で見た新谷の顔は、目が血走り、まるで鬼が乗り移ったような表情をしていた。
 もう駄目だ、と植野が思った瞬間、何かが千切れたような嫌な音がして、途端に首を絞める力が弱まった。
 新谷は地獄の底から湧き上がるような呻き声を上げながら、腕を抑えて地面を這いずり周っていた。
 腕の筋肉が切れたんだ、と思いながら、植野の意識はそのまま遠くなっていった。


 再び意識を取り戻した時、植野は病院のベッドにいた。
 結局、あの返り血は、植野が察した通り、新谷をいじめていた奴らのものだった。
 いじめっ子は、学校近くの公園の茂みで発見された。
 何とか一命をとりとめたようだが、あちこち殴られ、ボロ雑巾みたにな状態だったそうだ。
 結局あの事件があってから、責任を感じた植野は学校を去った。


 「なんで、弱っちい新谷はそんな力を出せたかって?
 ほら、火事場の馬鹿力って言葉があるだろ。
 人間ってのは、普段は使える力の数パーセントしか使えないよう脳みそが制御しているらしい。
 火事場とか自分がピンチの時にリミッターが外れて、普段の力とはくらべものにならないくらいの力を発揮できるようになる。
 だが、それは自分の体を犠牲にする諸刃の剣だ。加減を知らず、肉体に負担をかけすぎるととんでもないことになる。
 あの時新谷の腕の筋肉が引きちぎられたのも、許容量以上に体を酷使した結果だろうな。
 あいつは弱いままでいたかった。誰かに守られたままでいたかった。
 強かったら誰にも守られる必要はないもんな。
 事件のあと、新谷は入院したよ。もう一生、出てこれることはないがな」


 新堂エンディング№22:強さ
 CGギャラリー:40/124
 




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大阪のオバチャン
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 ゲーム大好きな大阪のオバチャンです。
 やりたいゲームは発売日に買ってるが、プレイする時間がまったく足りてないでの、クリアするのはいつになるのやら・・・

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