今日のアパシー学校であった怖い話1995特別編はどうかな?
4週目開始!
1人目は新堂誠を選択。
「お前がどうして新聞に入ったのか教えてくれねえか?」
- なんとなく入りました
- 前から憧れてしました
- 何かお勧めのクラブは?
「俺が勧められる部活は・・・」
- ボクシング部
- 空手部
- パフェ同好会
シナリオ:
ゴングが鳴って開始!
「ボクシング部に入る奴らは何のために入部すると思う?」
- 人を殴る為→新堂エンディング№19:へそまがり、新堂エンディング№22:強さ
- ストレス解消→新堂エンディング№22:強さ
- 強くなるため
「おう、わかってるじゃねぇか。そうだ、ボクシング部にはいる奴は、強くなりてぇと思ってる。
坂上、お前も男なら強くなりたいと思うか?」
- 強くなりたい
- 今のままでいい
「男ならそう思うのが普通だ。でもな、本当の強さってのは、腕っぷしで決まるもんじゃない。
生きていることへの感謝からくるやさしさと、自信。この精神的な強さから本当の強さが生まれるんだ。
これを履き違えると、とんでもねえ事態を引き起こすことになる」
新堂が1年生の時、同じ学年に新谷健也という生徒がいた。
新谷は、同じクラスの粋がっている連中にしょっちゅういじめられていた。
ここの学校の教師は、そういうのを見て見ぬ振りをするのがほとんどだったが、担任の植野裕樹だけは、この学校には珍しく、いじめを見逃さない、許さない、心に芯のある男だった。だから、新谷はよく植野に助けられていた。
「またお前らか!やめろって言ってるのがわからんのか!」
「やべ、植野が来た。逃げっぞ!」
「新谷、大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
「しかし、あいつらも懲りないな。
お前に非があるとは言わないが、やはりいじめられた時に対抗できるようにならないとな」
「はい」
「そうだ、俺が顧問をやっている部活に入れ。
そこで鍛えて、あいつらがいじめてきても、やり返せるようにするんだ!
本来、腕っぷしに訴えかけるのは、気が引けるが・・・」
植野が顧問をしていたのはボクシング部だったので、新谷は植野に言われるまま、ボクシング部に入部し、植野の指導が始まった。
「さあ、練習を始めるぞ!ゴングが鳴ったら試合開始だ!」
「はい・・・」
「どうした?相手に向かって行かないと練習にならないぞ」
「あの・・・暴力は・・・」
「暴力じゃない、スポーツだ。そして、自分を鍛える鍛錬でもある。
さあ、新谷、がんばるんだ」
いじめられている人間に、相手に立ち向かっていくという精神を植え付けるのは大変なことだったが、植野はそれを根気よく新谷に教え込んだ。
「別に相手に怪我を負わせるのが目的じゃないんだ。お前の場合、いじめられないように防衛できればいいんだからな。
さらにそういうことに怯えない強い心を作らないとな。そして、立ち向かっていく精神を・・・」
「はい」
「さあ、頑張るんだ。ゴングが鳴ったら、お前は変わる!
新谷、お前は強い。いじめっ子なんかには負けないくらい強いんだ!
さあ、立ち向かえ!」
そうやって、植野は毎日新谷に、お前は強いんだ、と言って聞かせていた。
それを繰り返していると、少しずつ新谷の心に変化が訪れた。
ある日、いじめっ子たちが新谷のズボンを無理やりに脱がそうとした時、新谷は「やめろよ!」と言って、両手でいじめっ子を押しのけた。
思わぬ反撃を受けたいじめっ子たちは、新谷に向かって拳を振り上げたが、新谷は植野との練習で体が覚えていたので、とっさにそれをよけて、いじめっ子に右ストレートを叩きこんだ。
その時、騒ぎを聞きつけた植野が現れたので、いじめっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
「先生、僕、逆らえました。立ち向かっていけました!」
「やったじゃないか、新谷。
これでもう、俺がいなくても大丈夫だな。特訓もしなくてもいいだろう。
もともといじめらないように始めた特訓だったんだから、立ち向かっていけるなら、もう必要ないだろう?」
「あの、僕、ボクシング続けたいです!
確かに最初は、あいつらに立ち向かっていけるように始めました。でも、ボクシング、大変だけど楽しいし、僕、もっと強くなりたいんです!」
生徒のやる気に応えてやるのが教師だから、植野は喜んで答えた。
「よし!じゃあ次の練習試合を目指して特訓しよう。これからは、もっと厳しくしていくからな」
「はい!」
最初はやらされている感があった新谷だが、次第にボクシングに目覚めていった。
植野のおかげで心は強くなった。
次は本格的にボクシングを極めるために、技術を学んでいった。
「新谷、お前は精神的にはだいぶ強くなった。次は技術だ。
ゴングの音が鳴ったら、お前は最強の選手になる!」
「はい!」
植野の厳しい指導は毎日続いた。
新谷は試合まで植野に付きっ切りでコーチしてもらった。
そして次の練習試合の日になった。
結果はKO負け。2週間やそこらの付け焼刃で何年もやってる奴にかなうわけない。
でも、植野は、相手に立ち向かっていく心は評価した。
「今日は初めての試合で緊張しただろう?」
「はい」
「緊張すると、普段の自分の力は出し切れないものだ。それにお前は、ボクシングを始めたばかりだから、これから努力していけばいいだけさ」
「はい!」
「ゴングが鳴れば、そこは試合の中なんだから、手加減しなくていいんだ。お前の力をすべて出し切り、本気で相手に立ち向かっていく。
ボクシングはケンカじゃない。れっきとしたスポーツなんだから、ゴングの音が聞こえたら全力でぶつかっていけ!」
「わかりました!次は全力でぶつかれるように頑張ります!」
「よ~し、また明日から特訓だぞ」
「はい!」
植野はあんなに弱くて、いじめられてばかりいた新谷が成長し、変わっていってくれたことを喜んでいた。
新谷も、自分が着実に強くなっていることに嬉しさを隠しきれなかった。
新谷はどんどん強くなっていった。
半年も過ぎれば、昔のいじめられていた頃の面影はすっかりなくなっていた。
リングの上の新谷は強かった。ゴングが鳴ると、まるで人が変わったように鋭いパンチを繰り出すとてつもない集中力の持ち主だった。
その日、いつもの練習試合を終えた植野は、帰りの方向が一緒だった新谷と帰っていた。
今日の試合は新谷のKO勝ちで、植野はひどくご機嫌だった。
こんな日は一杯飲みたい気分の植野は、新谷と別れて、一人居酒屋に立ち寄ることにした。
「それじゃあ新谷。俺は今日こっちだから」
「お疲れ様です!」
新谷と別れ、居酒屋で一杯やっていた植野はほろ酔い気分で夜道を歩いていた。
どこからか、消防車のサイレンの音がする。
どこかで火事でもあったんだろうか。そんななことを考えながら、ふらふらと歩いて、家に向かっていると、公園の傍でを通りかかったときに、公園から変なうめき声が聞こえて来た。
植野は気になって公園に入って行った。
「助けてくれ・・・」
植野が公園に入ると茂みの中から、男が這いずり出た。
顔面を殴られたのか、顔中血まみれで、その口からはごふごふと赤い泡を噴出していた。
しかし、すぐに茂みに引きずり込まれていった。
その後すぐに人を殴る音が聞こえて来た。
「ぎゃっ、やめろ、ぐはっ」
「おい」
植野は思わず声を掛けた。
すると茂みの中から誰かがにゅっと姿を現した。
その姿を見て、植野は驚きを隠せなかった。
影から出て来たのは新谷だった。血だらけの手で、顔は薄ら笑いを浮かべている。
「何をしているんだ、新谷」
「あれ、先生・・・」
「お前、こんなをことして、どうなるかわかっているのか?」
「ゴングが鳴ったんです。試合が始まったから、僕は・・・」
植野は呆然とした。
その植野の耳にまた消防車の音が聞こえて来た。消防車の音には、半鐘の音も混じっていた。
途端、新谷の顔つきが変わった。そして、おもむろにファイティングポーズをとった。
「ぐわああ!」
新谷は目の前にいる植野を何も言わず殴りつけた。
ふいをつかれた植野はバランスを崩し、その場に倒れ込んだ。
そこへ新谷が馬乗りになって、さらに植野にパンチを浴びせ続けた。
新谷は一心不乱に植野を殴り続けた。植野の鼻が折れても、眼球が飛び出しても、顎の骨が砕けても。試合のゴングが鳴るまで・・・
結局、近くの住民が気付いて、警察が来て取り押さえるまで殴るのをやめなかった。
新谷は自分の両手の骨が折れても殴るのをやめなかった。そのせいか、指の骨がめちゃくちゃに砕け、砕けた骨が皮膚を突き破り、何本もの赤黒い骨が突き出していた。
手はグローブみたいな大きさに腫れあがり、植野の血を浴びて真っ赤なグローブのような輝きを放っていたそうだ。
「植野はもちろん死んだよ。
そして、加害者である新谷は、後を追うように自殺した。手の怪我で搬送された先の病院の屋上から飛び降りたんだ。
『強くなりたい』そんな純粋な気持ちで始めたボクシングだったのに、なんでこんなことになっちまったんだろうな」
- なぜ植野を殴ったのか→エンディング№20:ゴングが鳴って
- なぜその話を知っているのか
- なぜ、新谷はそんなに強いのか
- 植野はそんなに熱心だったのか
「あの、なぜ新堂さんは、なぜその話を知っているんでしょうか?」
「あ?俺はボクシング部なんだよ。新谷とも同期だった。
植野の奴、運ばれた病院でも、あんなことされたのに、死ぬまで新谷の事気にしてたな。
『あいつがこうなったのは・・・俺のせいだ・・・すまん・・・』って顔中ぐるぐる巻きされた包帯の中から、悲しそうに呟いていたよ」
新堂エンディング№21:贖罪
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