今日の神無迷路はどうかな?
若林の後について巨大な扉の前に辿り着いた。
周囲の壁は汚れで覆われ、割れた床のタイルには分厚い塵埃が積もっていた。
扉には複雑な暗証番号式のロックが取り付けられており、近年になって追加されたものであることがわかった。
小酒井が男女のペアの前に立った。どうやら知り合いらしい。
「お疲れ様。迷子にならなかった?」
「なりかけましたけど、なんとか最後のバスに乗ることができました」
「小酒井先輩みたいに車があればいいのになぁ」
「そう?でも、雪村は運転免許取れるの?」
「えーっと・・・」
話の途中で隣にいた黒川が突然口を開いた。
「随分変わったなぁ。エレベーターは作ったんか?」
黒川は若林に尋ねた。
「残念ながら。研究所の建設はまだ始まったばかりなので、将来的には設置されると思います」
扉に取り付けられたパネルに入力しながら答えた。
ピピッと音がして扉が開いた。
「皆さん、頑張って付いてきてください」
ここへ来る前に、合土駅が日本一のモグラ駅として知られていることは聞いていた。
そこにあったのは、暗闇の底へと続く階段だった。
(こんなに長い階段を重たい荷物を引きずりながら下りるなんて、私は大丈夫だが、他の人はどうだろうか?)
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