今日の神無迷路はどうかな?
清水の案内で、波立は扉をくぐった。
部屋は長方形で、三方を清潔な金属の壁が囲んでいた。
正面の壁は鏡で、清水と波立の姿が映っている。
部屋の中央には金属製の台があり、その上に電線につながれて椅子が置かれている。
椅子の前には金属製のスタンドに設置された大型のディスプレイがある。
「そこから登って、椅子に座ってくれ」
清水の指示に従って台に乗り、慎重に椅子に腰かけた。
「どうだ?」と清水が下から声を掛ける。
「なんかちょっと変な感じです。首の後ろがちょっと冷たいような・・・」
背後の金属が首筋に触れ、冷たさが広がっていく。
「そのうち慣れるさ」
壁の向こう側から物音のようなものが聞こえた矢先、突然目の前の鏡張りの壁が光った。
いや、光ったのは壁ではなく。壁の向こう側の部屋の照明だ。
目の前は鏡ではなくガラスの壁で、壁の向こう側には別の部屋が広がっていた。
向かいの部屋には様々な機器が置かれ、それらのつなぐ電線が部屋の床を無秩序に覆っていた。部屋の中央には円筒形の装置が設置されており、その下には明るく点滅するモニターが並んでいた。
「あれは一体?」
「あれは巨視的物体の二重スリット実験の装置だ」
「は?」
清水が階段を上って、波立の側に来た。
「固まってないで、こっちを見ろ」
清水はかがんで、波立の真正面にあるディスプレイに軽く触れた。
「ここ、この2つのマークを見てくれ」
清水は画面上の赤と青のマークを指して言った。
「何か問題があったり、体調が悪くなっら、椅子の横にあるボタンを押してくれ」
清水は慎重に波立の頭の位置を調整している。頭部が椅子の背にしっかり固定された。
「あの、これは、一体なんです?」
「これは微弱な電流を流すだけの装置で、意識の明瞭さをある程度調節するためのものだ」
「意識の明瞭さを調節する、ってどういうことなんですか?」
「酒に酔うと意識がぼんやりするだろう?特定の脳神経領域を刺激することによって、同じような効果を得ることができるんだよ」
「なるほど」
「画面をじっと見て、その姿勢のまま動かないようにしてくれ」
「実験が始まるんですか?」
「順調にいけば30分くらいで終わるだろう」
清水は波立の肩をポンと叩き、階段を下りて部屋を後にした。
この時、波立は、
- A:暇つぶしに歌う
- →ノリノリで歌うと、画面に突然ビデオウィンドウが現れ、清水が映し出された。その後ろに蕗屋と笑いをこらえている霜月が見えた。
- 「そんなに騒がないでくれるか!」
- 「え、聞こえてるんですか!」
- 「今はモニタリングしているが、じきにすべての通信を遮断する。それにより、君のいる部屋は隔離された空間になる訳だが、静かに座っていてくれるかな?」
- B:緊急停止ボタンを押す
- →どうしようもなく、このボタンを押してみたい。衝動のままにボタンを押した。
- 画面にビデオウィンドウが飛び出してきて
- 「何か問題でも?」
- 「ごめんなさい、うっかり押してしまいました」
- 「そうか。もし次に押すときは、よく考えることだな」
- 言い終わると同時にビデオウィンドウは消え去った。
- C:大人しく座っている
- →こんな楽なバイトを台無しにするようなことはしたくない。
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