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チラシの裏~勇者弐位のゲーム日記

 ゲーム大好きな大阪のオバチャンのほぼゲームのことしか書いてない日記。10年やってたブログがプログラム書き換えられて海外の怪しいサイトに飛ばされるようになったんで、2017年4月に引っ越ししてきました。10年分の過去記事が36MBもあるし、データが壊れてるのか一部送れないものもあり、まだまだインポートの途中(;^_^   過去記事分は引っ越しで持ってきたものなので、表示が一部おかしいかもm(__)m  

エンディング№083:影男の誘惑

アパシー鳴神学園七不思議+危険な転校生
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今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目クリア
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
 3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る
 4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
 5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
 6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~63を見る
 7話目はシナリオ:交換日記の怖い話→エンディング№453~470を見る


 3週目開始!
 倉田のシナリオ:倉田恵美の飴玉ばあさん→エンディング№369~375を見る
 1人目は細田のシナリオ:機を見る男→エンディング№290~293を見る
 2人目は新堂のシナリオ:痛みを感じない男→エンディング№011~015を見る
 3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№143を見る
 4人目は風間のシナリオ:ボクは霊能者→エンディング№166・167を見る


 5人目に、荒井を選択!


 荒井昭二は2年B組の生徒。


 「よくある七不思議の話をしても面白くないでしょう?そうは思いませんか?」
  • よくある七不思議で結構です→シナリオ:時田君の自主製作映画
  • そうですね→シナリオ:いみぐい村
  • 友達の話はどうですか?
 シナリオ:フィギュアの作り方


 「わかりますよ。怖い話は数あれど、その中でも最も怖いのが人の怖さですからね。
 おや、坂上君、ひょっとして震えているんですか?なぜ、震えているんですか?」
  • 本当に寒いから
  • 本当に怖いから
 「6月とはいえ、確かに今日は寒いかもしれません。でも、震えるほどとは・・・
 坂上君、ひょっとして影が薄くありませんか?影が薄い人間は命も短い。それで寒さを感じるんだそうですよ」


 この学園には、影男と呼ばれる怪異がある。
 荒井は1年生の頃卓球部に所属していた。
 同じ卓球部に同級生に川辺志道という男子がいた。彼は荒井と同じように卓球はあまり上手ではなかった。
 でも、川辺はいつもニコニコと笑って、仔犬のように人懐っこくて、明るくて冗談も言うし、うるさいほどにぎやかで、荒井とは正反対の性格だった。
 そして、荒井は川辺に嫉妬していた。荒井と川辺は卓球の経験年数も技術も練習量もほとんど変わらないのに、いつだってみんなは川辺を選んだ。
 入部したての当初、荒井も川辺の立場は同じはずだったのに、川辺の方が先に名前を覚えられ、仲間の信頼を集めて、気が付いたら手が届かないほど遠くにいた。
 川辺は荒井に普通に接してくれていた。むしろ、輪から外れた荒井を気遣ってくれていたので、荒井はお情けをかけられている自分を思い知らされているようで、嫉妬の炎を燃え上がらせた。
 「よぉ。荒井、一緒にメシ行こうぜ」
 「ありがとう。でも宿題があるから」
 「そっか、荒井は勉強が好きだな」
 そう言って、川辺はみんなのグループに駆け寄りながら、荒井に手を振った。
 「荒井も勉強ばっかしないで次は来いよ!」
 そんなことを言って、皆に向けるのと同じ笑顔で荒井に笑いかけた。
 (僕は、憎いほどに川辺君が羨ましかった。殺したくなるほどに・・・)
 こんな醜い悩みは、だれにも言えなかった。


 6月の暑い日のこと。
 その日は通常の部活ではなく、部全体のミーティングのために席が設けられた。
 卓球部は、毎年1学期の最後に1年生の振り分けをする。1年生の中での1軍とその補欠、2軍の3つに分けられ、そして迎える合宿のメニューもそれぞれ変わってくるというわけだ。
 1軍に入れるのはほとんどが卓球の推薦で鳴神に入学したような人たちでした。
 その他は当然2軍。運が良くて1軍補欠に入れる人がいるくらいでした。
 荒井はもしかしたら1軍補欠になれるかもと淡い期待を抱いていた。
 その隣にいた川辺はかちこちに緊張していたので、普段から仲の良い先輩たちが気さくに話しかけた。
 「何緊張してんだよ。お前が1軍補欠なら1年生は全員1軍だよ!」
 「センパイ、俺だってこんな日ぐらいは夢見させてくださいよぉ」
 「そりゃそうだ、あははは!」
 そんな会話を聞きながら、荒井は眉間に皺を寄せた。先輩たちは誰一人荒井には声を掛けてこないのだ。
 そこへ、川辺が声を掛けて来た。
 「荒井、具合でも悪いのか?」
 「いや」
 「お前、緊張してんの?俺たちなんて1軍補欠になんかなれるわけねえだろ!緊張したって無駄だよ。
 俺みたいに2軍街道まっしぐらって気持ちで、ドーンと大きく構えていこうぜ」
 自分と同じように緊張している川辺にからかわれた荒井は、かっと頭に血が上った。
 「・・・してないよ」
 「そっか、すごいな。実は俺、心臓バクバク」
 そして、顧問の稲垣先生が部室に現れた。
 2、3年生のスターティングメンバー、補欠が発表され、1年生の番になった。当然1軍のメンバーは皆の予想通りで中学時代に全国大会で活躍した2名が選ばれた。
 「それじゃあ、1年生、1軍補欠のメンバーを発表する。
 笠井、島、立川、川辺の以上4名だ」
 「え?」と川辺が大きな声を出した。
 「皆わかっていると思うが、1軍に選ばれたものはこの結果に胡坐をかかず、より精進してもらいたい。補欠も気を抜くなよ。いつ出番があるかわからないんだからな。
 そして2軍のものもトレーニングに励むように。とりあえず、夏の全国大会が終わるまでは2軍は1軍のサポートだ。より1軍が練習できる環境づくりに尽力しろ。いいな!」
 「はい!」
 「それから、川辺。お前の実力は2軍で当たり前だ。だが、なぜ1軍の補欠になれたか、わかっているか」
 「俺が大器晩成だからですね」
 「馬鹿野郎!お前はいつも明るい。お前が一人いるだけで、チームは元気になれる。お前は1軍のムードメーカーになれる存在だ。お前の役どころは重要だぞ」
 「おっしゃ!俺、頑張りまっしゅ!」
 「それじゃあ、解散!」


 体育館での練習が終わり、2軍で1年生の荒井は用具の片づけを押し付けられた。
 体育館と用具倉庫の往復は練習で疲れた体にはとてもきつく、足元がふらついた荒井は、抱えていた箱からピンポン玉をバラバラと落としてしまった。
 慌てて拾い集めたたtが、転がった一つだけが、風に吹かれて校舎裏へと転がっていった。
 やっと止まったピンポン玉を取ろうと腰をかがめた荒井は、校舎裏の壁に自分の長い影が伸びているのを見た。
 ただ川辺に負けたくないという気持ちだけで卓球を続けていたが、いつだって選ばれるのは川辺で自分じゃない。実力は同じなのに何が違うんだろう・・・そう思うと荒井は涙が止まらなくなった。


 「僕のこの感情は、勝手な逆恨みだと思いますか?」
 「そうですよ、醜いです。じめじめとして陰湿で暗く醜い、それが僕です。だから影男に魅入られたのですよ」


 荒井が泣き疲れて、ぼうっと座って壁を見つめていると、どこか獣臭さの混じった生暖かい風が吹いた。
 そして、気が付くと、荒井の影の横にくっきりと黒く長い影が伸びていた。
 「荒井、大丈夫か?」
 泣いている荒井の耳に、野太い声が響いてきた。
 「誰?」
 「おっと、振り返らないでくれ。僕は影男さ」
 声は鼓膜を震わすのではなく、脳に直接響いてくる声だった。
 「影男?」
 「そうさ、僕は君のことを心配して会いに来たんだぜ。
 ちゃんと練習した人間よりも、目立ちたがりの方が選ばれるって、なんなんだろうな。僕は納得いかないぜ」
 「本当ですよ。結局先生はその程度だったってことですかね」
 「まさしく、君の言う通りだよ。荒井なんて朝練も夜練も頑張ったのに。僕は全部知っているぜ。
 それなのに、何も知らない顧問なんて大バカ者だよ。ちょっとおべっかを言うお調子者を選ぶんだからな。絶対に間違っている」
 「でもどうせ、僕は卓球も下手ですから」
 「おいおい、下手なのは川辺だって同じさ。よく考えてみろよ。あいつが調子の良いことを言っている間も、荒井はずっと練習していたじゃないか」
 「そうですよね」
 「荒井なんて入部した時から朝練も夜練もがんばって勉強とも両立させてきたのに、どうしてそれを見ないんだろう。
 川辺なんて、勉強もできないんだぜ。荒井よりもはるかに劣っている。生きている資格さえない奴だ」
 「そんなの当たり前ですよ。卓球をすることで成績が落ちて、それを言い訳にはしたくなかったので」
 「泣かせるじゃないか!なかなかできることじゃないよ」
 「いつも川辺くんばかり優遇されすぎですよ」
 「そうだね。彼は監督にも先輩にも気に入られているから。卑怯な手を使っているのさ」
 「あいつ、やっぱり卑怯な手を使っていたんですね。そうじゃないかとうすうすは気づいていましたよ」
 「そうだ、君の言う通りだ」
 「実力主義なら納得できますよ。だけど、彼は違うでしょう?」
 「その通り」
 「なんで僕じゃないんですか。なんであいつばっかり」
 「まさしく」
 「こんなの間違ってますよ。目立つ人間ばかりが得して、僕のような真面目な人間はいつだった淘汰される。
 本当は僕の方があいつより上ですよ。周りは本当に馬鹿ばかりだ。それに気づかないんだ」
 「そうだね」
 「あいつは、絶対に陰で僕を悪く言っていますよ。誘うときも、僕が行かないのをわかってて、誘うんです」
 「荒井も気づいていたか!実を言うと、あいつは先輩たちに荒井のことを悪く言っているんだぜ。
 荒井の奴は『先輩なんてみんなへたくそだ。死ねばいい』って言ってましたねって。
 僕は影男だから、密かにみんなの話が聞こえてしまうんんだよ」
 「嘘ですよ、僕はそんなこと言っていない!
 ・・・そうか、だから先輩たちの目つきがあんなに厭らしかったんだ。あんな奴、いなければよかった。そうしたら、認められたのは僕だった」
 「本当だね・・・あんな卑怯者・・・いなくなくなればいい」
 いつの間にか荒井の隣にあった影が消えていた。
 荒井が振り返ると、すでに影男はいなくなっていた。


 その夜、荒井は自室で勉強しながら、今日のことを思い返してむかむかしていた。
 その時、荒井は、ふと影男なんているわけない、あれは影男の振りをした卓球部の誰かだと思った。


 次の日に部活が始まる前に、同じ2軍の先輩で荒井よりも卓球が下手な、水科海が声をかけてきた。
 「荒井、昨日は大丈夫だったか?」
 めったに荒井に話しかけてこない先輩だったので、荒井は影男は水科だと気づいた。
 「ええ、大丈夫です。昨日はありがとうございました」
 「いや、皆思うところはあるけど、頑張ろうな」


 練習が始まり、2軍の荒井はグラウンドを走らされたが、だんだんと皆から遅れて行った。
 荒井は、顔を上げられず影ばかり見て、走っていた。
 「荒井、お疲れ。随分と苦しそうじゃないか。
 今頃体育館では1軍補欠はラリーの特訓だな。1年生の川辺は、3年の頃には間違いなく1軍入りだ。実力は二の次、口一つでのし上がるのさ。
 それに比べて、万年2軍は辛いよな。実力ある荒井がそれに甘んじるのを見ているのは僕もつらいぜ」
 「腹立たしい。1軍補欠は僕の席だ。あいつじゃない」
 「その通りだ」
 「あいつがいなければ、僕は・・・」
 「あいつは殺してもいい奴さ。いなくなって当然だ」
 その時、荒井の横を水科が、荒井ににっこりと微笑みかけて駆け抜けていった。
 「お先」
 (水科先輩は僕のことを理解してくれている。その人が、川辺を殺してもいい奴だと言っている。それは、僕に川辺を殺せと言っているのでしょうか)


 次の練習日。荒井達は2軍は1軍と補欠を横目に、二人一組でストレッチをしていた。荒井は、水科に背中を押されながら、川辺を見ていた。
 「また失敗してますよ。まともなサーブも打てないんですから、卓球に向いてないですよ、あいつは」
 「ああ」
 「ほら、失敗してもへらへら笑って・・・どうしてあんな不真面目な人間が・・・」
 「彼、明日怪我をするよ」
 慌てて振り返ろうとしたその時、先生の号令がかかり、慌てて先生のもとに駆け寄った。


 翌日、部室に入った荒井に、水科が話しかけて来た。
 「荒井、川辺が昼休みに階段から落ちて骨折したらしいぞ」
 荒井は、水科が突き落としたに決まっていると思い、顔には出さなかったが心の中に水科にお礼を言った。


 部活後、マネージャーの呼びかけで、入院した川辺のために部員たちで千羽鶴を折ることになった。
 もし自分が骨折しても誰も千羽鶴なんて折らないのに、川辺は折ってもらっている。なんの努力もしない人間が、怪我をして皆に迷惑をかけているのに同情なんてしてもらっている。
 そう思った荒井は、今まで以上に川辺を憎まずにはいられなかった。
 荒井は黙って席は立つと、どこへ向かうでもなく歩き出した。
 「荒井」
 やはり水科は荒井を追いかけて来てくれた。
 「どうして僕があんな奴のために鶴なんて折らなきゃいけないんですか。馬鹿らしい」
 「荒井は、真面目だな」
 「腹が立つんですよ。皆のお荷物の賑やかしでしかないくせに。人に取り入ることだけは得意で、馬鹿に気に入られて」
 「彼、明日死ぬよ」
 「水科先輩・・・」
 荒井がお礼を言って頭を下げようと振り返った時、もうすでに彼の姿はなくなっていた。


 次の日、本当に川辺は死んだ。その死に方はあまりにも陰惨だったのか、死因に関して先生は決して口を開かなかった。
 その先生の異様さから、誰かに殺されたらしい、という噂まで流れた。
 荒井は嬉しさのあまり水科のクラスを訪ねて、水科に喜びを一気にまくしたてた。
 「すごいですよ。全部先輩のお陰です!でも、本当にあいつを殺してしまうなんて・・・
 僕は何でも先輩の命令を聞きますよ。代わりに誰かを殺してくれと言われてもできますから、なんでも命令してください」
 「・・・お前、何言ってるんだ?
 川辺が亡くなったことを喜んでいるのか?最低だな、お前」
 「ちょっと待ってくださいよ。今までずっと僕のことを肯定してくれたじゃないですか!僕のことを認めていてくれたでしょ?」
 「荒井とはほとんど口をきいたこともないだろ?お前、何か勘違いしているんじゃないのか?
 お前が病気だってみんな噂していたけど、本当みたいだな。悪いけど、キモいよ、お前」
 「そんな・・・僕たちはお互いを理解でき・・・」
 「どけよ!」
 水科は荒井と突き飛ばして、「二度と話しかけんな」と吐き捨てた。


 その時、荒井は、体育館でストレッチをしていた時のことを思い出した。
 2軍は7人。二人一組でストレッチをすると一人余るはず。
 けれど、誰もあぶれた人はいなかった。じゃあ荒井の背中を押していたのは誰?
 そういえば、みんなは荒井を気の触れた人間でも見るかのような目で見ていた。


 「荒井!」
 荒井はいつの間にか無意識にうちに歩いていて、いつの間にか校舎裏に来ていた。
 目の前には長く伸びる影が二つ。
 「あなたは誰なんですか・・・」
 「やったじゃないか。川辺の奴、死んだな」
 その声は水科とは全く違っていた。
 「あなたは誰なんですか!」
 荒井は叫び、振り向いたが、それには誰もいなかった。なのに影は二つ伸びている。
 「おいおい、親友に酷いことをするなあ」
 「お前は誰なんだ!」
 「誰だっていいじゃないか。僕は影男だって、最初っから言ってるしな。
 それより、君の願いを叶えてやったんだから今度は僕の願いを叶えてくれる番だ」
 「お前の願いなんて叶えない。僕はそんな約束なんかしていない!」
 「お前は嘘吐きだな。さっき言ってたじゃないか」


 「すごいですよ。全部先輩のお陰です!でも、本当にあいつを殺してしまうなんて・・・
 僕は何でも先輩の命令を聞きますよ。代わりに誰かを殺してくれと言われてもできますから、なんでも命令してください」


 「違う!あれは水科先輩だと勘違いして言った言葉だ。お前に言った言葉じゃない!」
 「なに言ってんの?お前は殺した奴の命令を聞くって言ってたぜ。川辺を殺したのはこの僕だよ。だから僕の言うことを聞いてもらうよ。あははははは」


 荒井は逃げた。どこまでも走った。
 家に逃げ込み机に突っ伏して目線を落とすと、影がいる。
 影という影が荒井を笑う。
 荒井は電気を消した。完全な闇を作れば影男はいなくなるはずだ。
 しかし、それは逆効果で、荒井は影男に飲み込まれてしまった。
 そして、荒井は気づいた。影から逃げる方法を。
 それは荒井自身が死ぬこと。命を絶てば、影から逃げられる。
 荒井は手首にカッターを強く押し当て、思いきり横に引いてみたが、流れるはずの赤い血はいつまでも流れない。
 痛みは波のように押し寄せては引くのに、血が流れない。
 荒井は朦朧とした意識の中で傷をつけたはずの痛む手首を見ると、荒井を覆う影が血を吸っていた。荒井の手から噴き出す血が、闇の中に吸い込まれていく。
 部屋中に広がり覆いつくした影男が、血をすすっている。
 荒井は絶叫し、気を失った。


 「影男は、僕を狙っていたのです。今となっては、願いを聞かせるために全てあいつが仕組んだとしか思えません。
 川辺君を憎ませるように仕組んで、勝手に彼を殺して、僕に願いを聞けと無茶な注文を付けたんです。僕は彼を殺したいなんて思っていなかったのに。
 ああ、まただ。また僕を笑っている。醜い憎しみを持った僕を笑っている。
 皆さんには聞こえないんですか?早く退治しないと・・・」
 そう言って荒井はカッターナイフをポケットから取り出し、自分の首筋に当てた。
 止める暇もなく、荒井は首に押し当てたカッターを一気に引いた。が、血は流れなかった。
 「くそ!また逃げられた!
 坂上君、今じゃ僕の血はすべて影男にすすられ、血の代わりに影が循環しているのですよ。かるで黒い血液のようにね。
 あいつはね、腹立たしいことに僕の体を乗っ取ったのです。そしてずっと僕を笑っているんですよ。
 今は失敗しましたけど、次は成功させますから。見てくださいよ、ぜひ、僕から掻き出される影を・・・
 ねえ、血を流さない僕は人間なんですか?おかしなことないですよね?
 ねえ、坂上君。僕は怖いんですよ。あいつにいつか負けるんじゃないかって。
 ねえ、だから、僕を覚えていてください。今、ここで話をしている僕を・・・
 絶対ですよ。もう誰も僕の話なんて聞いちゃくれない。もう皆さん、影男に狙われていますから。そして、僕と同じ運命をたどる。もう逃げられませんよ、イヒヒヒ」


 エンディング№083:影男の誘惑
 エンディング数 119/657 達成度18%
 キャラクター図鑑 69/122 達成度56%
 水科海
 イラストギャラリー 62/283 達成度21% にほんブログ村 ゲームブログ 今日やったゲームへ
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HN:
勇者弐位
性別:
女性
職業:
大阪のオバチャン
趣味:
ゲーム
自己紹介:
 ゲーム大好きな大阪のオバチャンです。
 やりたいゲームは発売日に買ってるが、プレイする時間がまったく足りてないでの、クリアするのはいつになるのやら・・・

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