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チラシの裏~勇者弐位のゲーム日記

 ゲーム大好きな大阪のオバチャンのほぼゲームのことしか書いてない日記。10年やってたブログがプログラム書き換えられて海外の怪しいサイトに飛ばされるようになったんで、2017年4月に引っ越ししてきました。10年分の過去記事が36MBもあるし、データが壊れてるのか一部送れないものもあり、まだまだインポートの途中(;^_^   過去記事分は引っ越しで持ってきたものなので、表示が一部おかしいかもm(__)m  

エンディング№455:プリティ霊媒師サナエちゃん

アパシー鳴神学園七不思議+危険な転校生
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今日のアパシー鳴神学園七不思議はどうかな?


 1週目クリア
 倉田のシナリオ:カエルですか?ネズミですか?→エンディング№363~368を見る
 1人目の福沢のシナリオ:恋愛教→エンディング№127~139を見る
 2人目の岩下のシナリオ:窓枠の中で→エンディング№310~313を見る
 3人目は風間のシナリオ:下半身ババア→エンディング№168・169を見る
 4人目は荒井のシナリオ:いみぐい村→エンディング№74・75を見る
 5人目は細田のシナリオ:トイレの恋→エンディング№270~272見る
 6人目は新堂のシナリオ:吉田ババア→エンディング№001~005を見る
 7話目はシナリオ:うしろの正面:エンディング№426~431を見る


 2週目開始!
 倉田のシナリオ:呪われたロッカー→エンディング№376~383を見る
 1人目は岩下のシナリオ:ポプリ→エンディング№213~217を見る
 2人目は細田のシナリオ:サトリサマ→エンディング№262~265を見る
 3人目は福沢のシナリオ:彼と彼女の秘密→エンディング№140~142、144・145を見る(143は後で見る予定)
 4人目は風間のシナリオ:ひとり七不思議→エンディング№181~187を見る
 5人目は新堂のシナリオ:ゲーム実況怪談→エンディング№53・54を見る
 6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№58~63を見る


 6人目は荒井のシナリオ:時田君の自主製作映画→エンディング№062:憧れのミューズ様を見て、7話目に入る。


 「全員の話が終わったぜ。どうするんだ?」
 新堂に促された。どうしよう。
  • もうしばらく待ちましょう
  • 荒井さんの意見を聞きたい
  • 帰りましょう
 シナリオ:交換日記の怖い話開始!


 最後に話をしてくれた荒井の意見を聞いてみよう。
 「あのう、荒井さん、何か意見はありますか?」
 「意見?僕にこの状況でどんな意見を言えというのですか?」
 お開きにした方がいいな、と坂上が思って、立ち上がろうとした時だった。
 「こんにちは」
 突然ドアが開き、まだ幼い印象の残る女の子が立っていた。元木早苗だった。
 「あっれ~、早苗ちゃんじゃない!」と福沢が驚いて声を上げた。
 「あ、玲子ちゃん、こんにちは~」
 「元木さん、お久しぶりです。映画製作は順調に進んでしますか?」と荒井が声を掛けた。
 「荒井さん、こんなところで。あれ、私は出たくないんですぅ」
 「あの映画、僕も楽しみにしていただけに残念です」
 「そういえば、さっき荒井さんも早苗ちゃんの話をしてたもんねぇ。これはもう偶然を通り越して運命だね」と福沢が言った。
 「他の皆さんも初めましてです~。どうぞ、よしなに~」
 「あ、もしかして7人目って、早苗ちゃんのことだったの?」
 「えっと、私は・・・」
 坂上は黙って元木の次の言葉に注目した。
 「7人目というわけじゃないんだけど。おばあちゃんが、行きなさいって言うので~」
 (七不思議の集会のことは、僕と、新聞部との人たちと、日野先輩に声をかけられた7人の人以外は知らないはずなのに)と坂上が思っていると、福沢が、
 「気にしないでね。早苗ちゃんは時々、ヘンなことを言い出すことがあるから。でも。とってもいい子だよ」とフォローする。
 ずっと居眠りをしていた風間がいつの間にか目を覚まして、
 「そうとも、こんん可愛い女の子が、悪い子であるわけがないさ。早く入っておいで。なんだったらボクの膝の上に座ってもいいんだよ」と声を掛けた。
 「それでは、おじゃまします~」
 遠慮がちに入室してきた元木を、坂上は空いている席に案内した。
 「皆さん、改めまして、よろしくお願いします~。私、1年の元木早苗といいます。玲子ちゃんのクラスメイトです~」
 「元木さん、日野先輩にここを教えてもらったわけじゃないんだよね?」
 「はい。あ。ところで、あなたが坂上修一君?」
 「そうだけど」
 (どうして、この子は僕の名前を知っているのだろう)
 元木は可愛らしく微笑むと、不思議なことを口走った。
 「そう、良かった。まだ生きてるので~」
 「え・・・」
 「おばあちゃんがね、ここで坂上君が困っているだろうから、助けに行ってあげなさいって言ってたの」
 「は?」
 福沢が必死にフォローするかのように、目の前で手をひらひらとさせて、その場の空気を変えようとした。
 「あ~細かいことは聞かなかったことにして!運が良ければ、その目で超常現象を確認できると思うから。
 それよりさ、怖い話をさせるんだったら、早苗ちゃんはピッタリだと思うよ。7人目はいつまで待っても来ないみたいだし。
 ね、早苗ちゃんもいい?」
 「はい~、私でよろしければ」
 「さっさと話してもらって、お開きにしようぜ」と新堂が口を開いた。
 「では、元木さん、よろしくお願いします」と坂上は言った。


 これはまだ携帯が一般的になる前の時代の話。
 この学校のあるクラスで、交換日記が流行った。
 はじめは数人の女の子のグループが始めたのだが、その様子があまりにも楽しそうなので、あっという間に、他のクラスメイトにも広まった。
 みんなそれぞれ、仲良しのグループに分かれて、好きな人の名を書き合ったり、自分がおすすめしたいものなんかを書いたり、先生の悪口で盛り上がったりしていた。
 その流行の陰で交換日記のグループに入り損ねた女の子がいた。名前は、大本真美。
 彼女はあまり人付き合いがうまい方ではなく、人の輪に入ることが苦手で、誘われても断ってしまうような自ら壁を作ってしまうような人だった。
 それに、学校は勉強をしに来るところだからという生真面目な一面が強くて、勉強そっちのけで学園生活を楽しんでいるクラスメイトたちを毛嫌いしている部分もありました。
 別に孤立するほどの嫌われ者ではないが、付き合い下手な彼女には、交換日記で互いの秘密を見せ合いっこするほど心を許してくれるような友達もいなかった。
 休み時間にきゃあきゃあと交換日記の話題で騒いでいる子たちを横目で眺めながら、大本は胸の中に湧き上がる敗北感と孤独を、必死に押し隠していた。
 表面上は『そんなものにうつつを抜かすより先に、学生としてやらなければならないことがあるんじゃないの?』と涼しい顔をしていたが、内面では、交換日記に激しい憧れを抱いていた。


 そんなある日のこと。
 大本がいつものように家路を歩いていると、塀の向こうの見慣れた木の洞に、何かがねじ込まれているのが見えた。
 どうやら、それは丸められたノートのようだった。
 大本は木の洞に手を伸ばして、そのノートを引き抜くと、風雨に晒されたように古びていたが、表紙には交換日記と書かれていた。
 彼女はボロボロのノートを開いたが、前半部分は、長い間放置されているうちに水が染みこんだせいか、紙が癒着していた。
 そこで比較的損傷の少ない後ろの方のページを選んでめくると、こんなことが書かれていた。
 『僕と交換日記をしませんか?』
 開いたページの左上に、ぽつんとそれだけが書いてあり、そこから後は何も記されてはなかった。


 大本は誰のものかわからないそのノートを、こっそり持ち帰った。
 『僕と交換日記をしませんか?』
 それは、几帳面そうな性格がうかがえる、読みやすい字だった。
 大本は、字の綺麗な少年と交換日記をしているんだ、という少しロマンチックな想像をしてその書き込みの下に続けて書いた。
 『あなたは誰?うちの学校の生徒なの?いつから交換日記の相手を待ち続けているの?』


 そして、翌日の朝、登校するついでに、同じ木の洞へノートを押し込んだ。
 しかし、数日たっても、ノートに何の変化のないことに落胆しているうちに、大本は、一度希望を持って裏切られた分、さらに暗い感情は強まって行った。


 次の週のある日、大本はいつものようにあの木の側を通りかかった。
 気のせいか、いつもとは少し違う形でノートが突っ込まれていたので、大本は、急いでノートを抜き取り、その場で開いた。
 すると、大本の書き込みの下に、例の几帳面そうな文字で返答が書かれていた。
 『こんにちは。書き込みありがとうございます。僕は他校の生徒です。この学校に通う人と、ずっと交換日記をしていました。でも、ある日突然、相手から返事がこなくなったんです。
 僕は相手の名前しか知らなかったから、何があったのか調べる手段もなくて、つい、新しい交換日記の相手を募るようなことを書いてしまったんです。
 それが2年前のことです。まさか、今になって書き込んでくれる人が現れるとは、思ってもみなせんでした。よろしければ、本当に僕と交換日記をしていただけないでしょうか?』


 大本は家に持って帰ると、ペンを執った。
 『いいわよ。私は大本真美。まずはあなたのことを知りたいわ。あなたはどこの高校に通っているの?
 2年前にいつの生徒と交換日記をしていたということは、今は3年生ぐらいかしら?以前の交換日記の相手とも、こうして顔も知らない状態でやりとりしていたの?
 突然音信不通だなんて、可愛そうね。私、その人について調べてあげましょうか?』


 大本は次の日の朝、木の洞の中にノートを戻した。
 そして、数日後、ようやく待ち望んでいた変化があった。
 『お返事ありがとうございます。よろしくお願いします。前の交換日記の相手とも、やはりこんな風に偶然やりとりがはじまったんです。
 2年前の突然の音信不通にショックを受けましたが、こうして新しいご縁が見つかったので、すっかり未練も晴れました。調査の件は、気持ちだけいただいておきます。
 それよりも、僕はもっと大本さんのことが知りたいです。差支えのない範囲で、いろいろと書いていただければ嬉しいです。僕は、桂雅彦といいます』
 彼は必要以上に自分のことを書いていませんでしたが、この落ち着いた文体と丁寧な口調は、大本の胸をときめかせた。
 (こんな素敵な文章が書ける人なんですもの、きっと頭が良くて知的な感じの文学青年ね)
 彼女の中で、勝手に妄想が膨らんだ。
 まるで彼女は、桂さんのことを不遇な自分を助け出すために現れた、白馬の王子様であるかのように感じた。
 桂の日記は、こんな一文で締めくくられていた。
 『一つお願いがあります。このノートの前半部分は読まないでいただきたいのです。前の相手とのやりとりが残っていて、読むことも読まれることも心苦しいのです。どうかお願いします』
 大本はあくまでも強気な返事を書いた。
 『わかったわ。私は余計な詮索は嫌いだし、読もうにも、すっかりページがくっついちゃってるから、読めないの。安心してね』
 そして、彼のリクエストに応えて、自分のことを書き始めた。
 自分が2年生であること、進路の希望はある程度固まっていて、それに向けて努力をしていること・・・そんな、相手に都合よく見えることだけを書いた。
 最後に、クラスで交換日記が流行っていることを記し、ついでに小耳に挟んだルールを書いた。
 当時彼女のクラスで流行っていた交換日記にはあるルールがった。それは他人の日記の文章に、赤いペンと青いペンで下線を引くことで、読み手の意思を伝えるというものだった。


 他人の日記の文章全体に赤いペンで線を引くと、同意、好意、喜びなどの前向きな感情を表し、文章の一部に青いペンで線を引くと、否定、反感、悲しみなど、後ろ向きなニュアンスを現した。
 そして、そこから余白に矢印を引っ張って、コメントを書き込む。
 大本は、クラスの女の子たちが、そんな秘密めいたやり取りをしているのを盗み見て、交換日記をするときには、そのルールを試してみたいなって思っていた。
 『結構便利システムなのよ。せっかくだから、あなたも私の分に線を引いてみてね。じゃあ、末永くよろしくね』


 いつものように木の洞にノートを入れて数日後、大本の書き込みのあちこちには、赤い線がいっぱい引かれて、コメントが添えられていた。
 ノートの前半は見ないという約束や、大本さんの進路や努力に対しての部分、ルールを採用したいという意見や、『末永くよろしくね』の箇所にも、賛同の赤線が引かれていた。
 そして、心待ちにしていた桂からの返信に目を通した。
 『こんにちは、桂です。僕のお願いを聞いてくれてありがとう。君は2年生のうちから将来を見据えていて、えらいと思うな。
 僕はその時に努力しなかったことを、遅まきながら悔やんでいます。赤い線と青い線のルール?面白いものがあるんだね。僕もさっそくやってみました。
 交換日記なのに、話し合っている感じがして、けっこう楽しいね。こちらこそよろしく』
 桂の新しい書き込みに対しても、彼女は賛同や喜びの赤線を、どんどん引いて行った。
 しかし、桂の書いたこんな一文が、大本の手を止めた。
 『大本さんのクラスでは交換日記が流行っているそうだけど、今、誰かと交換日記をしているの?』
 大本は、いつか桂と直接会うことがあった時、嘘つきだと思われたくなかったので、みじめさを押し殺して真実を記した。
 『交換日記は、あなた以外の誰ともしてないわ。誰にも誘われなかったからなの。
 学生は勉強をしに学校へ通うべきだと思ってるし、将来を見据えて、今から努力を積み重ねていくべきだと考えているの。
 だから、そういう人間を軽蔑し、避けている。それに私は、あまり人付き合いがうまい方じゃないの。
 やっぱり、心のどこかでそういう連中を見下しているのかもしれない。でも、こういう意見は煙たいんでしょうね。あなたにも嫌われてしまうかもしれない。
 でも、あなたの顔が見えないから、こんなことも素直に書けてしまう。私がバカなんだわ。こんなこと書いても、ネガティブだし嫌われるだけだよね』
 そこには、寂しさ、誇り、反省、後悔・・・クラスメイトの前では出すことのない、大本の本当の気持ちがつづられていた。


 あんなことを書いてしまっては、もう返事は来ないかもれいない。
 そんな心配をよそに、桂から帰って来たノートにや、いたるところに赤線が引いたあったが、『私がバカなんだわ』という一文には青線が引かれ、『そんなことない!』というコメントがついていた。
 『大本さんはしっかりした魅力的は人だと思う。学生の本文について、将来を見据えた勉強の必要性について、きちんと理解している高校生は珍しいよ。
 たしかに、考え方が正しければ高圧的な態度に出ていい、ということはないけれど、でも僕はこう思う。あの時、僕の側に君のような人がいてくれたなら・・・
 僕の不真面目で怠惰な生活に警鐘を鳴らしてくれる人がいたなら、僕はもっと早く目を覚まして、進路について考えていただろう。
 誰もが切羽詰まってから、きっと君の正しさを理解し、尊敬し、ありがたく思うはずだよ。
 なによりも、自分の態度を反省しているのが偉いね。自分のことを客観的に見て反省することは、難しい。
 君は自分が孤独だと思っているようだけど、その誠実さは、クラスの誰かには伝わっていると、僕は思うよ』
 大本は、感動のあまり涙を流した。そしてノートに向かって、何度も、ありがとう、と呟いた。
 桂に認められたことで、大本は失いかけた自信を取り戻すことができた。
 (そうよ、やっぱり私は正しいんだわ。受験に備えることの大切さを理解しているのは、私だけなんだから、私は別にそんな人たちを群れる必要はない。
 一人でも大丈夫。いつか私のことを理解してくれる人たちに囲まれて生きる日がやって来るはず)


 次の日から、大本は、一人でいることに寂しさを感じることはなくなった。
 だから、二人の交換日記は順調に続いた。
 むしろ、学校でため込んでいる孤独や反発を慰めてくれる桂の言葉は、大本にとって、なくてはならないものになっていった。
 それに自分の発言が、自信を失いがちな桂の支えになっていることを確信し、彼から頼られる喜びすら感じていた。
 桂が大本に好意を持っていることは密かに感じていたが、それ以上の進展は全くなかった。


 実は大本は同じクラスの畑中亨が好きだった。
 畑中は、クラスで孤立している大本に話しかけてくれる数少ない人だった。
 畑中は、宿題を忘れた、と言ってノートを借りに来て、
 「頭がいいだけじゃなくて、マジメだし、努力家だよな」なんて、声を掛けてくれていたので、大本は密かに、畑中は自分のことが好きなんじゃないか、と思っていた。
 そんなわけで、大本は桂をキープしつつ、畑中からの求愛を待っていた。
 ところがある日、畑中がある女の子に告白し、相手もそれを受け入れたのだ。
 その一部始終は、休み時間の教室で、クラスメイトたちの前で堂々と行われて、当然大本を目撃していた。もともと畑中は、ボクシング部で強くてかっこよくて、クラスの人気者だったから。


 その日の放課後、忘れ物を取りに大本が教室に戻った時、帰らずに残っていた女の子たちが、大本についてウワサしているのを聞いてしまった。
 「大本さんさ、畑中が告白したとき、すごい顔してたよね」
 「あの人、鬼みたいな顔してたよ」
 「へー、やっぱり大本さん、畑中のことが好きだったんだ」
 「でもさ、畑中ってずっとアユミちゃん狙いじゃん。見ててもわかんないのかな?」
 「畑中がよくノートを借りにいったから・・・」
 「あー、誤解しちゃったのね。自分のことが好きなんだって」
 「なんかかわいそー。畑中、影ではかなり大本の悪口言ってたのにさ」
 「そうそう、『大本にはノート書く以外の取柄はない』なんてきっぱり言っちゃってね~」
 「畑中も卑怯だよね。ノート借りるときは調子いいくせに。まあ、大本さんの態度もさ、調子乗ってるというか」
 「学級委員でもないのにいつも偉そうにしているし、ムカつくのもわかるかなって」
 「いい気味かもね」
 「きゃははは」


 大本は気づかれないよう、その場を去り、走って走って交換日記の隠し場所のある木ののころまで来たが、汗と涙で顔がグチャグチャになっていた。
 大本はノートを取り出し、その場で書き込むと、またすぐ元に戻した。
 『今日学校でひどいことがあった。もう明日から学校行けない。死にたいよ。助けて』


 翌日大本は学校を休んだ。頭まで布団をかぶって、泣きながら一日を過ごしたが、夕方になって、あの日記の返事が気になって仕方がなくなくなり、あの木の下へ向かった。
 ノートを開くと、まったく予想をしていなかったことが書かれていた。
 『じゃあ、会おうか。
 君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。僕は君と会えるまで、毎日待っているから』


 夜の2時なると、大本はこっそり家を抜け出し、いつもの木の元に向かったが、途中で、桂と会えなかったらどうしよう、という考えた頭をよぎった。
 なんらかの事情で、桂がこちらに向かえないこともあるでしょうし、もし会えなかったら、待ち合わせ場所に来たということと、彼への感謝の気持ちを日記に書き残しておいたほうがいいだろう、と大木は考えた。


 手ぶらだった彼女は、文房具を取りに家に戻ったと思いますか?
 エンディング№062:憧れのミューズ様を通過した場合は以下の内容に変化!


 彼女は一度文房具を取りに戻って改めて出発したが、最初から早めに家を出ていたので、木の下には約束の時間の5分前に着くことができた。
 木の下には誰もいなかったので、大本はその場で桂を待つことにした。
 ところが、決められた時間を過ぎても、桂は現れない。
 時間を持て余した大本は、ノートを開いた。すると、昼間の書き込みに新しい文章が付け加えられていた。
 『君が本当に僕の助けを必要としているのなら、会おう。夜中の2時にこの木の下に来て欲しい。
 僕には君を連れて行くことしかできない。
 僕が手伝ってあげるから、気を楽にして』
 大本がなんとなく嫌な予感を覚えながら首をかしげた寸簡、大本の喉に何かが食い込んできた。
 何者かに襲われて、背後から紐で絞められている!大本はそう思い、慌てて喉に手を当てたが、そこには何もなかった。それなのに、喉の肉が何かが食い込んでいるかのように凹んでいる。
 大本はパニックに陥りつつ、息苦しさから逃れるため、顔を上に向けた。
 すると、木の枝から首を吊っている男の子が、大本を見つめていた。
 見えない力に、大本の意識はどんどんと遠ざかっていった。
 (このままじゃ、いや!いやよ!)
 大本はもだえ苦しみながら、鞄の中から筆記具を取り出し、『君が本当に僕の助けを必要としているのなら』の部分に青線を引くと、首の締め付けが少しだけ楽になった。
 『僕には君を連れて行くことしかできない、僕が手伝ってあげるから』
 大本は、桂からの返事に否定の意味の青い線を引いた。
 『死にたいよ。助けて』という発作的に書き込んでしまった自分の後ろ向きな言葉も青いペンで否定した。気が付くと喉を締め付ける圧力は完全に失われており、木の上を見上げても、そこにはもう何もなかった。


 大本は恐怖にもつれる足を引きずりながら、自分の部屋に駆け込み、布団が被って震えていたが、なぜかあの交換日記を持っていた。
 朝が来ても、自分が助かったことに確信が持てず、大本は机の上に投げ出したままにしておいたノートから逃げるようににして、学校に行った。
 もちろん、通学する時も、あの木の近くを通る気にはなれないので、普段は通らない回り道を選んだ。
 畑中の件に関する決まりの悪さも、女の子たちの嘲りも、昨夜の恐ろしい出来事に比べたら大したことではなかった。


 重い足取りで家に帰って、自分の部屋に入った大本は、机の上にノートを見て声にならない悲鳴をあげた。閉じたまま置いていたはずなのに、勝手にページが開いていたのだ。
 『どうしても、こちらに来るのはいやなのかい?』
 そこには、新たな書き込みがあり、大本はちゃんと返事をしなければならないと思った。
 (私が中途半端な気持ちで死にたいなんて書いたからいけなかったのよ。ちゃんと書いて、わかってもらわなきゃ)
 『ごめんなさい。どうしてもそっちには行きたくない。私は死にたくない。あなたの気持ちは嬉しいけど、私はまだ生きていたいのよ。こっちにいたいの。
 あなたのことは、きちんと供養させてもらいます。今までありがとう』


 その夜、不意にある疑問が大本の脳裏をよぎった。それはノートの前半部分には何が書かれていたのだろうか、ということだった。
 ノートを手にとってみると、紙と紙とがくっついてはいますが、へりの部分から剥がれてきていて、うまくやれば閉ざされていたページを読むことができそうだった。
 加湿器のスチームを当ててみたり、定規をすべりこませてみたり、慎重に長い時間をかけて作業を行い、ようやくページを開くことに成功した。


 一番最初のページには、こう書かれていた。
 『私と交換日記しませんか?』
 それは見慣れた桂の文字とは違うものだった。最初に交換日記をしようと誘ったのは、相手の方だった。
 その次は桂の書き込みがあり、桂と大本の時と同じようなやりとりで日記は進んでいった。
 日記の文章から察すると、桂の最初の交換日記の相手は女の子だった。
 大本たちと同じように、お互いに自分の愚痴を書いたり、それを励まし合ったり慰めあったりして、信頼や結束を強くしていったようです。
 そして、恋心を育んでいく過程がひしひしと伝わって来た。
 ある日、受験勉強に苦しんでいた桂が、深刻な書き込みをしていた。
 準備を怠った後悔、勉強しても成績が上がらない苦しみ、模試の結果、ライバルたちの成長ぶり、両親の期待・・・そこには桂の苦悩が書き連ねられていた。
 『いっそのこと死んでしまいたい』
 日記はそう結ばれており、それに対する彼女の返信は、
 『会おうか。今夜2時、例の木の下で待ってるよ』
 そう、桂と自分のやりとりとまったく同じだった。


 そのページを最後に、しばらく空白が続き、そして再開された書き込みは、大本が最初に目にした『僕と交換日記をしませんか?』という桂の誘いだった。
 「約束を破ったね」
 耳元で、背筋が凍りつくような冷たい男の声がした。
 大本は、それは桂の声なのだと思った。そして、恐怖で硬直した大本の前で、ノートのページが勝手にめくられていった。
 ページは、大本の最後の書き込みのところで止まり、途切れ途切れの赤線が引かれていった。


 ごめんなさい。『どうしてもそっちに』は『行きた』くな『い』。『私は死にた』くな『い』。
 『こ』っちにいたいの。あなたのことは供養し『ろ』というならどこかに頼む『し』、任せて『ちょうだい』。今まで『ありがとう』


 どうしてもそっちに行きたい。私は死にたい。ころしてちょうだい。ありがとう。


 大本は次の日、例の木で首を吊っている状態で発見された。
 畑中の一件は、クラス内でもともと孤立していたことを苦にしての自殺だと片付けら、それ以上調べられることはありませんでした。


 「その交換日記や、次々と人が首を吊る木なんですけど、実は、この学校の裏地にまだあるんですよ。皆さんも気を付けてくださいね」


 もし木の洞にノートを見つけても決して触れないでください。
 あ、実は私、うっかり触ってしまって、危ない目にあったことがあるんです。
 例によって前半部分はくっついていて読めず、かろうじて読める最初のページには、
 『私と交換日記をしない?』
 と書いてありました。後になって思えば、あれは大本さんの筆跡だったのでしょうね。その瞬間、私の全身は金縛りにあって、動けなくなったんです。
 それもで少しだけ体の自由が利くようになっていたので、鞄の中なら青いペンを取り出して、ノートの表紙に線を引いたんです。
 『学校に伝えられている、交換日記のルールを思い出しなさい』っておばあちゃんが教えてくれたら、私は力を振り絞って、交換日記という文字の交換の下に青い線を引きました。すると、ふっと呪縛が解けたんです。
 交換を否定したことで、交換日記を続けさせる呪いの効力は減ったようですが、それでもやっぱりたくさんの人の怨念が詰まった危険なものですから・・・
 皆さん、くれぐれも気を付けてくださいね。


 後味が悪いのか、皆一様に下を向き、黙り込んでいる。
 「元木さん、ありがとうございました。今のお話、新聞に載せても、大丈夫ですよね」
 「はい、もちろんです。おばあちゃんは、そのために行けって言っていたんですもの」
 その時、突然ドアが開き、一人の男性が乱入してきた。
 「もう逃がしません!」
 その男性は手にはビデオカメラを持ち、元木を追い回している。
 「彼が元木さんに取り憑かれてしまった時田安男君です」と荒井が言った。
 「君は僕のミューズなんだ!お願いだから、僕の新作映画に出演してほしい!」
 「その話は何度もお断りしているじゃないですか。私は、そういうのには出たくないんです」
 「君のご先祖様も出演したほうがいいと言っているじゃないか。君は100年に一度、いや1000年に一度の天才、1000年女優だよ!
 なんだ、荒井君。君もいたのか。さあ、一緒に彼女を説得してくれよ。君だって、彼女の新作映画が見たいだろ?」
 「いえ、僕は彼女の迫力はナマで見られますから。それにまだ死にたくありません」
 「貴様、いい加減にせぬか」
 突然、元木の口から白い煙がもうもうと吐き出されていった。
 「おばあちゃん、この前は賛成してくれたじゃないですか!ええい、京都の宇治茶に栗饅頭もお付けしましょう!」
 「これ早苗や、やっぱり映画に出演するのも悪くないと思うんじゃが。
 ・・・おばあさま、成仏させますよ!
 ・・・やはり早苗は出たくないと言っておる。貴様が死ねぃ!」


 あの日新聞部を襲った謎の大爆発は警察や消防隊まで出勤する大騒ぎとなったが、不思議なことに怪我人は一人も出なかった。
 あの日の記録は、近いうちに新作映画としてネットで公開されるそうだ。『プリティ霊媒師サナエちゃん』というらしい。無事に公開されるといいが。
 
 
 
 エンディング№455:プリティ霊媒師サナエちゃん
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 キャラクター図鑑 58/122 達成度47%
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HN:
勇者弐位
性別:
女性
職業:
大阪のオバチャン
趣味:
ゲーム
自己紹介:
 ゲーム大好きな大阪のオバチャンです。
 やりたいゲームは発売日に買ってるが、プレイする時間がまったく足りてないでの、クリアするのはいつになるのやら・・・

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