今日の神無迷路はどうかな?
霜月は扉の方を見やり、鍵がちゃんとかかっているどうかを確かめた。
その後、部屋の中を歩き、ベッドに腰掛けた。
「地下水のことを言っていたけれど、私も思い当たることがあります」
「君も?」
霜月は頷いた。
「ベッドに横になって目を閉じた時、何かを思い出したように映像が浮かんできたんです」
「何が見えたの?」
「昇降路から水が押し寄せてきて、実験室が水浸しになりました」
「それだよ!」
「あなたも同じような経験を!それじゃあ、地震って何のことですか?」
「水が実験室を襲う直前に、激しい揺れがあったんだよ。その地震のせいで、研究所のどこかが壊れて地下水が漏れたんじゃないかと思って」
「もしかしたら、地震じゃないのかもしれませんね」
「どういう意味?」
「エレベーターの昇降路が円筒形の構造であることを考慮して、もし人為的に上から水を流したらどうなると思いますか?」
「誰かが上から水を流す?」
「セキュリティセンターも異常があったと報告していましたよね。もしかしたら、私たちの中に悪意を持った人間が紛れ込んでいるのかしれません」
- A:「誰かがそうであるという証拠はあるの?」
- →「それは・・・」
- 「どうして、そう思ったの?」
- 「ここ数年、学術界のトップレベルの研究者が暗殺されるという事件が相次いでいるんです。この研究所がこんな地下にあるのも、そういったリスクを避けるためじゃないかと思っています」
- 「研究者が殺されるだって?どうして?」
- 「分かりません。社説では極端な保守派の仕業だとされていましたが、時間に経つつれ、議論もされなくなりました」
- 「犯人は捕まったの?」
- 「いいえ。でも、なんとなく、犯人がこの実験に潜んでいるような気がして・・・」
- 「犯人の目的は?」
- 「この研究所の破壊です」
-
-
- B:「そういえば、雪村を見かけなかった?」
- →「彼女は3号室にいるはずです。黒川さんがドアを叩いていて、姿こそ見せませんでしたが、中から返事はしていたので」
- 「もしかして、件の悪者は彼女かも?」
- 「どうしてそう思うんですか?」
- 「あまり印象が良くないんだ」
- 「それじゃ証拠にはならないですね。
- でも、私の部屋は彼女の部屋の隣で、隔てるものはこの薄い壁1枚ですから、向こうで何か動きがあればすぐにわかりますし、目を離さないようにしておきますね」
-
その後、二人は別の話題で雑談を続けた。→31.夕食へ
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