今日の神無迷路はどうかな?
エレベーターは最終的にはB1と表示された階で停止し、それ以上に下に動くことはなかった。
「こことB2階は客室エリアとなります。皆さんにはこの数日間、こちらで過ごしていただきます」と若林が言った。
一行はエレベーターを降り、空中に張り出した通路へ出た。両側にそれぞれ扉があり、片方には「立ち入り禁止」、もう片方には「休憩室」と書かれていた。
通路の先には円形の狭いホールがあり、壁に沿って4つの扉が整然と並んでいた。エレベーターから正面に見える壁には監視カメラが取り付けられている。各扉には、ハイテク感あふれる鍵が取り付けられていた。
「皆さんのIDカードの裏に番号が記載されています。その番号が自分の部屋の番号になるので、指紋をスキャンしてドアを開けてください」と、若林が言った。
波立がIDカードを取り出すと、裏面には「客室1」と書かれている。
霜月が「何号室でしたか?」と尋ねて来た。
「1号室みたいだ。君は?」
「私は2号室です。隣同士ですね」
「ここには5って書いとるんが、ここには5号室は見当たらんぞ」と、黒川が尋ねると、
「5号室はB2階にあります。この後、エレベーターで降りましょう」と、若林が答えた。
波立が雪村に視線を向けた。
「何よ?」
「何号室だったのか気になったので」
雪村は、「別に関係ないでしょ」と言いながら、手に持っていたカードを背中に隠した。
「今日は皆さんお疲れのようですから、部屋でお休みください。私は夕食の準備をいたします」と、言うと、黒川は目を輝かせて、「どこで準備するんだ?」と、聞いた。
若林は、「整備室です」と答えて、白い扉を指さした。
「それなら、ワシも手伝おう」と黒川が言うと、若林は一瞬躊躇したが、頷いた。
夕食までまだ時間があるようだったので、荷物を先に置くことにした。
波立は、扉の前に立ち、鍵をじっと見つめた。
ディスプレイには指紋の形をしたマークがあった。ここを押せば扉が開くのだろう。
さらにその下には鍵穴があった。おそらく、電子ロックが故障した場合の緊急用のものだろう。
親指をディスプレイに軽く押し当てると、扉の鍵が音を立てて開いた。
部屋の内装はシンプルで洗練されており、金属製の壁が無機質な雰囲気を醸し出している。
右手には白い扉があり、おそらく浴室だろう。
部屋の片隅には、鉄の支柱でできたベッドが置かれており、サイドテーブルもステンレス製だ。
波立は、サイドテーブルにリュックを置き、そのままベッドに倒れこむ。
マットレスは硬く、ホテルのような居心地のいい柔らかさはない。
その時、隣の部屋から騒々しい機械音が聞こえて来た。
身を起こしてみると、部屋の扉に貼られた見取り図に目が留まった。
ここは円形になっていた。
立ち上がり、見取り図に近づくと、自分がいる1号室の隣に「整備室」と書かれていた。
その時、ドアが3回ノックされた。
霜月か?と思った波立は、素早くドアを開けたが、そこにいたのは黒川だった。
「おい、フライドチキンには何を付けたい?ケチャップか?それとも、マヨネーズか?」
「えっと・・・ケチャップで」
黒川が去ると、霜月の顔が片隅から覗いた。
「少しお邪魔してもいいですか?」
「も、もちろん!」
「私の部屋と同じ間取りですね」
霜月が何か言おうとしている。
- A:「疲れているみたいだけど、マッサージしてあげようか?」と、思わず口にしてしまった。
- B:「何かあったの?」と、気遣うように尋ねた。
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