今日の神無迷路はどうかな?
夕食を済ませた後、何をしようかと波立が考えていると、突然、部屋が揺れ始めた。
地震だ!
狭いホールに出ると、霜月もそこにいた。
波立に気づいた霜月は、「何してるんですか!早くテーブルの下に隠れて」と言った。
「君は?」
「エレベーターの方を見に行きます」と、彼女が答えたと同時に流れる水の音がエレベーターの方から聞こえて来た。
波立と霜月は昇降機まで走り、下を覗き込む。
昇降機の底は荒れ狂う水で満ちており、どんどん水位が上昇しており、いつこの階まで押し寄せ来るのかわからない状態だ。
「ここでじっとして溺れるわけにはいきません。最悪、あれに登らなくては」と、霜月が昇降機の鉄骨を指さす。
「2000メートルもあるんだよ!」
「ですが、今は上昇してくる水位から逃れることが先決です」
「それは、そうだね」
「3号室の雪村さんの様子を見にきてくれませんか?
私は整備室で使えるものがないか見てきます」
波立は3号室の扉を叩いたが、返事はない。
「雪村さん、いないんですか!
水がすぐそこまで押し寄せて来てるんです。死にたいんですか?」
「水って!」
「地震で地下水が湧き出たのかもしれない。
私たちは鉄骨を登って上に行くつもりです。あなたはどうしますか?」
霜月が整備室の扉を開けようとしてるが、鍵がかかっており開かない。
そうこうしているうちに水の音が小さくなり、水位の上昇は止まったようだ。
「下の人たちは無事でしょうか」
下を覗き込むが、地震による停電で真っ暗だ。
「そうだ!懐中電灯。非常用バッグの中に入っていたはず。探してきます」
そう言って、霜月が探しに行くと、下から水をかき分ける音が聞こえて来た。
「誰か上におるんか?」
聞こえて来たのは黒川の声だった。
「私たちは大丈夫です。そちらはどうですか?」
「顎まで水が来ちょる」
「鉄骨を使って、上に登ってこれますか?」
「やってみるけん、手を貸してくれ」
その時、懐中電灯を手にした霜月が戻って来た。霜月は懐中電灯の灯を黒川のいる場所に向けた。
波立は手を伸ばして、黒川を引き上げた。
びしょ濡れの黒川は床に座り込んだ。
「浴室にタオルがあるはずです。すぐに取ってくるので待っててください」
霜月がタオルを持って戻ったところで、部屋から雪村が出て来た。
雪村「どうしてこんな・・・」
波立「だから言ったでしょ、地震が起きるって」
黒川「ちゃんと言うことを聞いときゃ良かった。それで、余震は起こるんか?」
波立「それはわかりません。そんなにはっきりとはわからないんです」
雪村「小酒井先輩も斎藤くんもまだ下にいるのよ。助けにいかなくちゃ。あんたと小酒井先輩は幼馴染なんでしょ」
- A:反対する
- → 「私の知っている小酒井はとっくに死んでいる。下にいるのは偽物だ。
- それにどうやって降りるんだ」
- B:小酒井を助けるための策を練る
- → 最高の幼馴染だった小酒井が死んでいくのを黙って見ていることはできない。
- 「何か手だてを考えないと。安全ロープで私を縛って、下ろす。どうかな?」
「やめたほうがいいでしょう。5階までの水位で、水底の圧力は約150パスカルで、それにここの気圧を加えると、総圧力は標準気圧の2.5倍になります。潜水用の装備がなければ、普通の人には耐えられないでしょう」と、霜月が言った。
「てことは、下の階の人はもう・・・」
「ええ、残念ながら」
雪村は床にしゃがみこんで泣きだした。
突然、水の音が聞こえて来た。
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