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今日の
かまいたちの夜×3はどうかな?
小林を中心に囲む様にして、全員、田中の部屋の前に立つ。
小林がノブを回すと、冷気が流れ出す。
「篠崎君?」
返ってくるのは風のうなりだけだ。
小林はバスルームを覗き込み、そのあと死体のあるあたりを見ると、すぐに戻って来た。
「やっぱりここにはいないようだ」
「オーナー!」と、廊下から俊夫が叫んで、廊下の突き当りを指さす。
さっき調べた物置の前で、ジェニーがにゃあにゃあと鳴いている。
小林が物置のドアを開けると、みどりがいた。まるで人形か何かをしまっておくみたいに体折り畳まれて、無造作に押し込められていた。
小林が慌ててみどりの脈を取る。やがて、みんなの方を向いて、首を横に振った。
「畜生!なんてことを・・・」
俊夫は気が狂ったみたいに喚きだした。
そして、みどりの亡骸にすがりつき、泣きじゃくった。
みどりは殴り殺されていた。頭が割れ、長い髪に大量の血が絡まっていた。
俊夫は、床に置いてあったモップの柄を掴み、立ち上がった。
「出てこい!人殺し野郎!」
喉が裂けるかと思うような大声を張り上げ、壁や客室のドアを叩きながら、廊下を歩き出す。
止めようとする小林をも振り払い、暴れる。
ドアの一つが開き、可奈子が顔を覗かせたが、狂ったように暴れる俊夫の姿を見て、慌ててドアを閉めた。
「ううっ。みどり・・・」
俊夫は突然立ち止まり、廊下の真ん中で跪くと号泣を始めた。
「真理、女の子たちを説得して、呼んできてくれ。僕は美樹本さんの様子を見てくる」と、透が言って、美樹本の部屋のドアを開けた。
頭に包帯を巻かれた美樹本は、目を閉じて、ベッドに横たわっていた。
「美樹本さん」と透が声を掛けると、美樹本はうめき声を上げて、目を開いた。
「みんな一緒にいた方が安全だと思うんです。できれば下に来ていただきたいのですが、歩けますか?」
美樹本はベッドから降りて立ち上がり、ふらつきながら歩き出した。
部屋の外に出ると、みんなが待っていた。女の子たちも廊下に出ていた。
小林が廊下の隅を見ながら言った。
「彼らはしばらく放っておいてやってくれ」
そこには、みどりが横たわり、その脇に俊夫が跪いている。
そして、それ以外のみんなで階段を降りて、談話室に集まった。
5分ほど経ったころ、俊夫がみどりを背負って降りて来て、みんなの前を通り過ぎて廊下の奥へ消えた。みどりを部屋に返しに行ったのだろう。
しばらくして、俊夫は思ったよりも早く談話室に戻って来た。
「これで全員が集まったことになります。
これ以降、絶対に一人だけ離れたりすることのないようにしてください」と、透が言うと、
「一体、何があったんですか?」と、啓子が聞いてきた。
「みどりさんが、ついさっき誰かに殴られて・・・」と、透が言うと、亜希が泣き出した。
「一体どうして?まさか、一人で外に出たのか?」と、美樹本が言った。
「いえ、中にいました」
「あたし達、やっぱり部屋に戻りたい!」と、可奈子がヒステリックに叫んだ。
「駄目です。一緒にいることが必要なんです」
「どうして?あたしたちは関係ないわ!」
「こういうことは言いたくはありませんが、さっきみどりさんが殺されたと思われる時間、2階にいたのは、美樹本さんとあなた達だけだったんですよ」
「どういう意味?」
「つまり、あなた達がみどりさんを殺した可能性もある、ということです」
「何言ってるの、透」と、真理が叫んだ。
「1人だと難しいかもしれないけど、3人一緒なら・・・」
「ひどい!どうして、あたし達が・・・」と、啓子が抗議した。
「そういう可能性もあると言っているだけです。さっきも言ったように美樹本さんにも、みどりさん殺害の機会はあったわけです・・・」
「僕は君が入ってくるまで鎮静剤で眠っていたんだよ。おまけにまだ頭がガンガンして、歩くのもままならないってのに・・・」と、美樹本が言った。
「それは演技かもしれません。僕が言いたいのは、これ以上犠牲者を出さないためには、全員一緒にいるべきだということだけです。
全員一緒にいれば、犯人は手出しができない」
(ガラスが割れる音がした時、みんな談話室にしたから、美樹本さんも女の子たちも、田中さんを殺す機会はなかった。
それに、死体をバラバラにするような時間はなかったはずだ。
が、田中さんを殺さなかったからといって、みどりさんを殺さなかったことにはならない)
透が、そう思っていると、ある考えが浮かんだ。
「小林さん。みどりさんは田中さんの部屋を見たいと言っていたんですよね?正確に何と言っていたか、思い出せますか?」
「『ちょっと思いついたことがあるから、田中さんの部屋を調べたいの』
確か、そう言ってた」
(みどりさんは、田中さんの部屋を調べて、何かに気づき、犯人の正体を知ったんじゃないだろうか?)
透が、そう思った時、真理が口を開いた。
「犯人はあたし達以外の誰かなのよ。あたし達が考えるべきことは、どうやって自分たちの身をそいつから守ることだけよ」
「そうよ、お互い疑い合ったりしても、いいことなんか何にもないわ。今はみんな信じあわなきゃ」と、珍しく春子が口を開いた。
「春子、そんな綺麗ごとだけではあかん。透君の言う通り、どんな可能性でも考えといた方がええ」と、香山が言った。
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