今日の星影の館殺人事件はどうかな?
アナタ「おお、おいしそうな匂いだ」
修「俺は歓迎もしてない余所者と食事を共にせにゃならんのか」
灯「私が招待したお客様なんです。おもてなしをさしあげてもよいでしょう?」
修「いつお前がこの家の長になったんだ?まず俺に許可を取るのが道理というものだろう」
アナタ「すみません、場違いのようなので一旦席を外しましょうか」
学「いいよ、座りなよ。おじさん、僕の向かいね」
こずえ「まあ珍しいこともあるものね。学が人に懐くなんてね。
では、あたくしは学の隣に座りましょう」
修「勝手にしろ」
アナタ「どうも、ありがとうございます。では、お言葉に甘えて・・・」
灯「私は探偵様のお隣に失礼しますね」
アナタ「なあ、灯君。客は僕のはずだよな。君達と同じ美味しそうなトリ料理を頂けてありがたいのだが、前の彼の皿に乗っているのは、なぜ・・・」
学「わーい!今日はトリだ!いただきます!」
灯「どうか、お気になさらないでください」
学「あー、美味しい!次、お代わり、持ってこい!」
小鴨「お待たせいたしました、学お坊ちゃま」
学が食べているのは生のニワトリだった。
学「この喉のところがうまいんだ!あとのところはいらないもんね!
どうしたの、おじさん、食べないの?
モモ肉なんか美味しくないもんね、でも、喉はあげないよ!」
アナタ「ああ、大丈夫。おじさんは火の通った肉が好きだから」
学「ふーん、変わってるね。生の肉にちょっと塩を揉みこむが一番美味しいのに」
扉の開く音が聞こえて来た。
アナタ「誰かが帰って来たみたいだな」
小鴨「お食事中にたいへん失礼いたしました。様子を見てまいります」
修「構わん、放っておけ。この家にいたくないというなら、そうさせてやればいい。野垂れ死ぬ時をただ待つだけの貴様らに情けをくれてやった恩を忘れたければそうしろと言ってるのだ」
小鴨「失礼いたします」
アナタ「一体何事だ?」
灯「ユミさん、どこかに出かけていたみたいです」
学「おい、小鴨!どこ行った!新しい喉を持ってこい!早くしろ、くず、のろま!お腹すいた!」
こずえ「まあ、学。ママの料理をあげるから許してちょうだいな」
学「嫌だ!モモなんか嫌いだい!喉がいいんだい!ママのわからずや!
料理したやつじゃなくて生がいいんだよ!」
アナタ(『そのうちわかる』という灯君の言葉は、こう意味だったのか。
確かに彼の喉に対する執着心はまさしく佐比病の症状と同じだ。
だが、僕が聞いていた佐比病の罹患者と彼とは大きな違いがある。それは知能だ。
看護婦たちの言う罹患者は同じような言葉を繰り返し、会話すら成立しないのだ。
彼が佐比病を患った状態で生まれたからなのか、それとも他に理由が?
・・・昼食が終わったら、いよいよ事情聴取を開始するとしよう)
アナタ「さて、お昼も頂いたところで、始めるとするかな」
アナタ(修さんは書斎へ、こずえさんと学君は居間に、灯君は自室に戻った。使用人たちは昼食の後片付けのため、厨房にいるだろう。
まずはどこへ行こうか)
修「おい探偵。今から狩猟に出る。お前も付き合え」
こずえ「あら、あなた。また狩りに行かれるの?」
修「この男に佐比山が何たるかを教えてやるのさ」
アナタ「僕は殺人事件の調査をしにきたのであって、狩りをしたいわけでは・・・」
修「殺人事件でたまるか。弟はコワバミドリに殺されたのだ。やつの生態を知ればいやでもわかるはずさ。これも調査とやらの一環だと思うがね」
アナタ「確かに・・・」
修「こずえ、悟の部屋から狩猟用の道具を持ってこい。ろくに狩りもせず部屋に閉じこもってばかりだったから、どれもピカピカのはずだぜ」
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