今日の神無迷路はどうかな?
エレベーターが到着し、中から若林が出てきて言った。
「すみません、お待たせしました」
「セキュリティセンターから呼び出しがあったんですよね?」
「ええ。どうして、それを?」
「ほら、私にはわかるんです。未来が予知できるんです!」
「それが何だっていうの?」と、雪村が軽蔑の表情を浮かべながら言った。
「それは置いといて、セキュリティセンターからの呼び出しって、何かあったんですか?」と、霜月が尋ねた。
「セュリティセンターが、頻繁なDDoS攻撃を検知したそうです。
詳しいことは私にもよくわかりません。すみませんが、セキュリティセンターに確認しに行かなければなりませんので、ここで待っていてください」と言い残して、若林は階段を降りて行った。
「ねえ、霜月。これで信じてくれるよね?本当に地震が起こるんだよ!」
「私だって、いい加減うんざりしますよ」
「時空一体って知っているよね?」
「ええ」
「だから、時間と空間が一体化しているからこそ、地震のことがわかるんだよ!」
その時、背後から黒川の声が聞こえてきた。
「さっき若林が言っていたDDoS攻撃っちゅうのは何だ?」
「分散型サービス拒否攻撃のことです。膨大なリクエストを送り付けることで、サーバーに過負荷を掛け、最終的にはクラッシュさせます」と、霜月が説明した。
「外にいるハッカー集団が、ここの情報を盗み出そうとしているってこと?」
「DDoS攻撃では直接情報を盗み出すことはできませんが、DDoS攻撃が単なる囮で実際のデータ盗難が内部で行われているとしたらその限りではありません。例えば、今回のアルバイトに紛れ込み、機を見て内部からマルウェアをばら撒いて、外部から攻撃するバックドアを提供するとか」
「私たちの中にハッカーがいるってこと?でも、この実験に参加するにはそう簡単じゃなかったはず。個人情報を元にした厳正な審査があったよね?」
「すでにハッカーが参加者のデータを改ざんしてるかも」と、雪村が言った。
その時、若林が戻って来た。
「攻撃は止んだようです。以前にも似たようなことがありましたから、大丈夫でしょう」
- A:「実験を中止するべきではありませんか?」
- →「セキュリティセンターは大した問題ではないと判断しました。そのため続行します。皆さんもいいですね?」と若林が言うと、波立以外は了承した。
- B:「降りたくありません」
- →「え?いいですが、契約書にサインしたからには、キャンセルするなら違約金が発生しますよ」と若林が言った。
- 「その、違約金はいくらですか?」
- 「契約書には報酬の10%と書かれています」
- (つまり6万円か)
- 「すみません、さっきの言葉は無かったことにしてください」
- C:「私たちの中にハッカーが紛れ込んでいる可能性は?」
- →「研究所のセキュリティは万全ですから安心してください」と若林が言った。
若林がエレベーターの前まで歩いて行って、「皆さん、どうぞこちらへ」と言った。
にほんブログ村PR